2024.09.26 【関西エレクトロニクス産業特集】大阪・関西万博〝ご当地パビリオン〟が参加

関西パビリオンの完成イメージ(関西広域連合提供)

建設中の大阪ヘルスケアパビリオン(提供=〈公社〉大阪パビリオン)建設中の大阪ヘルスケアパビリオン(提供=〈公社〉大阪パビリオン)

関西パビリオン/大阪ヘルスケアパビリオン 最後の仕上げへ急ピッチ

地域の英知と知見、総合力を結集

 来年の大阪・関西万博には地域の英知と知見、さらには総合力を結集した〝ご当地パビリオン〟が参加する。「関西パビリオン」と「大阪ヘルスケアパビリオン」で、最後の仕上げに向け建設が急ピッチで進んでいる。

関西パビリオン

 近畿2府4県のほか物、人の往来が関西と多い鳥取、徳島の2県と大阪、京都、堺、神戸の各市、さらに関西に接する福井、三重の両県が連携団体として構成しているのが「関西広域連合」。今年は設立14年。

 関西広域連合は今回、関西パビリオンを設置して内外に〝KANSAI〟を訴求する。

 「いのち輝く関西悠久の歴史と現在」がパビリオンのテーマ。地域に息づく「いのち」と、未来へ続く「いのち」の両方を発信していくという。

 高い理想を掲げる半面、万博を関西各地へのツーリズムの起点にしたいというのがパビリオン関係者の本音だろう。

 パビリオン内部は166平方メートルの大関西広場、と130平方メートルの多目的エリア、滋賀、京都、兵庫、和歌山、鳥取、徳島、福井、三重の8県(大阪府・市は共同でヘルスケアパビリオンを設置、奈良県は辞退)によるそれぞれの趣向を凝らした各県ゾーンで構成。各県は約130~250平方メートルの独自展示エリアで見せ場をつくる。

 滋賀県は「Mother Lake」を参加のテーマとして水とのつながりを軸にした展示。福井県は他府県にない地域資源の「恐竜」を活用といった具合。各府県が飛び切りのアイデアと観光資源を持ち寄る。

 「関西は一つ、しかし一つ一つでもある」と関西広域連合の万博担当企画参事森健夫さんは語る。最終的には関西のインバウンド増につながってくれれば、というのが森さんの願いでもある。

大阪ヘルスケアパビリオン

 大阪府・市共同のパビリオン。「REBORN(生まれ変わり)」をテーマに「いのち」や「健康」の観点から未来社会の新たな価値創造を目指す。

 大阪ヘルスケアパビリオンは1万平方メートルの敷地に鉄骨造りによる2階建ての本館棟と「ミライのエンターテインメント」(XDホール)で構成。

 パビリオンのメインとなるのが「REBORN体験ルート」。1階での個人の健康記録(PHR)から始まり、2階の25年後に「ミライの自分」のアバター(分身)と出会う体験を経て「ミライのヘルスケア」コーナーの体験展示へたどり着く。

 XDホールではカプコンの人気ゲームシリーズ「モンスターハンター」の仮想体験可能に。

 大阪らしいバイタリティーが感じられそうなのは1階の「展示・出展ゾーン」。関西を中心として優れた技術の中小企業やスタートアップが展示コーナーを設け、内外の訪問者と商談する。

 同パビリオンを運営する「公益社団法人大阪パビリオン」によると、このコーナーには約400社の参加申し込みがあった。会期中26週間、400社が1週間ごとに入れ代わりセールスする。

 万博をスタートアップ支援の場として活用したい、と展示担当者は強調している。