2024.09.26 【関西エレクトロニクス産業特集】JR大阪駅前、再開発が進む JPタワー大阪など相次ぎ開業
再開発が進むうめきた地区(右側手前がグラングリーン大阪)
JR大阪駅前は、2025年の大阪・関西万博の開幕を前に商業施設やオフィスが入る複合施設の開業が相次いでいる。7月から9月にかけて開業した「JPタワー大阪」「イノゲート大阪」「グラングリーン大阪」は大阪駅に直結。〝新駅〟の開業で駅へのアクセスも向上しており、周辺施設にも影響を与えそうだ。
大阪駅周辺のうめきた地区は、13年のグランフロント大阪(大阪市北区)の開業をはじめ、再開発が進められてきた。
グランフロント大阪の西側のうめきた2期地区グラングリーン大阪の玄関口にはJR大阪駅うめきたエリアが昨年3月に開業。大阪駅西口改札と70メートルの地下連絡通路でつながっており、JR環状線、神戸線などとエスカレーターなどで接続。〝新駅〟にはこれまで停車しなかった特急が停車。おおさか東線も乗り入れ、アクセスが向上。うめきた2期地区開業で利用者増も期待できる。
7月31日には、大阪駅の北側にイノゲート大阪、南にJPタワー大阪内の商業施設「KITTE大阪」と「大阪ステーションホテル、オートグラフ コレクション」が開業。
イノゲート大阪は地上23階、地下1階。7月にオープンしたのはオフィスの一部と書店、飲食店。1階などのエリアにはパブリックアート作品を展示している。ほかのオフィススペースは秋以降開業予定という。
JPタワー大阪は、地上39階、地下3階、塔屋2階。11階から27階のオフィスゾーンは今年の3月12日に先行開業しており、1フロア当たりの面積は約3960平方メートルで西日本最大級の広さ。社交クラブをイメージしたラウンジ、無人コンビニ、フィットネス、サウナなどを完備する。
地下1階から地上6階のKITTE大阪は、関西初出店の店舗を中心に飲食店やアンテナショップなど114店が出店。万博開幕までに130店の入居を目指す。
大丸梅田店が入居する「大阪ステーションシティ サウスゲートビルディング」やイノゲート大阪に接続する通路を設けている。
開発に携わった日本郵政不動産開発本部商業施設室の平岡大典グループリーダーは「マルチアクセスによって人の流れが大きく変わるのでは」と期待感を示す。
6日には、グラングリーン大阪の先行まちびらきが行われた。屋外型屋根付きイベントスペースや芝生広場がある「うめきた公園」、イノベーション施設や商業施設などが入る「北館」などがオープン。オフィスやホテルが入る「南館」は25年春ごろに開業予定だ。
北館には、アバターと交流できるイートインスペースのあるコンビニや、さくらインターネットや立命館大学など企業や大学、研究機関などのイノベーション施設が入居。年間来街者は5000万人を見込む。
大阪駅周辺の施設では、新施設開業による変化を感じているようだ。
ヨドバシカメラマルチメディア梅田(大阪市北区)は、グラングリーン大阪の開業後初の週末となった7、8日、10代後半から20代の女性が多く来店。同施設でのイベント終了後、2階のデッキからの来店が多かった。
佛原優副店長は「今後企業が入居すると異動があり、家電売り場がにぎわってくるのでは」と期待感を示す。
グラングリーン大阪に隣接するグランフロント大阪の北館2階に入るau Style OSAKA(大阪市北区、藤村莉子店長)は、グラングリーン大阪開業後、アイフォーンの新型発売とも重なり、来店客数が以前の3~4倍となった。来店客層は20~30代の若い世代。「グラングリーン大阪内のうめきた公園帰りの人が立ち寄る。客数は確実に増えている」と藤村店長は話す。
今後は、25年の公園のフル開業に期待し、ファミリー層の来店に期待している。