2020.06.24 【テレビ特集】パナソニック「4Kビエラ」機種拡充有機ELモデルなど相次ぎ投入

4K有機ELテレビの提案が加速する(写真はヤマダ電機)

26日から発売する大画面有機ELテレビ「4Kビエラ」HZ1000シリーズ26日から発売する大画面有機ELテレビ「4Kビエラ」HZ1000シリーズ

 主要テレビ各社は、夏商戦に向け高精細4K有機ELテレビの販売を本格化する。6月から本格的に4K有機ELテレビ新製品を投入するところも多く、4K液晶テレビに加えて選択肢の幅が広がってきている。

 各社の新製品は画質と音質に磨きをかけるとともに、インターネット接続によるスマート機能も充実。AI(人工知能)を活用しているモデルも増えている。

 有機ELは自発光パネルの特徴を生かし、高いコントラストと階調表現ができる。

 各社ともパネル駆動技術や、あらゆる映像を4K以上の品質に変換する超解像技術に磨きをかけており、今年も各社の技術が進化してきた。高画質や高音質化に向けてはAIの活用なども本格的になってきている。

 薄型パネルの特性を生かした音響システムにも各社の知見が生かされている。画面に見合う音づくりでも特徴が出ており、スピーカなどのハード面だけでなく、デジタル処理技術などのソフト面の技術でも製品開発コンセプトの違いが出る。

 最近は地上デジタル放送や衛星放送などに加え、動画配信やVOD(ビデオオンデマンド)といったインターネット動画の見やすさなどでも各社が機能やサービスで競争をしている。

 あらゆるコンテンツを高画質化するだけでなく、番組の選局しやすさといった細かい使い勝手にも配慮する機種が目立つ。

 各社の4K有機ELテレビをみると、パナソニックは26日から4K有機ELビエラ2シリーズ4機種(65V型/55V型)を順次発売。

 独自のパネル制御技術を強化し、高コントラストな映像を実現したほか、上位機はテレビ背面上部に上向きに配置したスピーカで、包み込まれるような立体音響が楽しめる。

 ソニーは、4K有機ELブラビア2シリーズ3モデルを6月末から順次投入する。これにより48から77V型まで豊富なサイズ展開を図っていく。

 独自のパネル制御技術を組み合わせ、あらゆるコンテンツを高画質化する。画面を震わせて音を出す独自の音響システムも訴求していく。

 東芝映像ソリューションは、4K有機ELレグザ2シリーズ6機種を6月下旬から順次発売。最上位シリーズは77Vから48V型までそろえた。クラウドのAIを使った高画質化技術により、放送に合わせて高画質化する。

 これまで液晶テレビで4Kから8Kまで展開していたシャープは今年、4K有機ELテレビ2機種(65V型/55V型)を発売し、市場に参入。8Kで培った技術を生かして高画質化を図っている。

 ヤマダ電機と独占販売契約をする船井電機は、4K録画ができるHDD(ハードディスクドライブ)内蔵の4K有機ELテレビ2機種(65V型/55V型)を用意。HDD内蔵という独自のパッケージングで差別化を図る。

 海外メーカーでは、LGエレクトロニクス・ジャパンが4Kだけでなく、同社初となる8Kチューナを内蔵した8K有機ELテレビを投入。AI技術も駆使して高画質・高音質化している。

 新型コロナウイルスの影響などもあり、家電市場も厳しい状況だが、テレビ市場は堅調だ。

 電子情報技術産業協会(JEITA)の5月の出荷統計でも4Kテレビは前年比25・2%増の18万9000台と2桁伸長となった。薄型テレビ全体に占める4K比率は52.1%となり、金額構成比は79.2%になった。

 有機ELテレビは前年比28・3%増の2万4000台、65億円。新4K8K衛星放送対応テレビは4Kテレビ出荷台数の98.5%を占め、発売開始から累計283万台となっている。

パナソニックは、高画質・高音質の「4Kビエラ」(有機EL/液晶テレビ)で商戦をけん引する。

 「4Kビエラ」20年モデルは26日から順次発売する。まず26日には、大画面有機ELテレビHZ1000シリーズ(65V型/55V型)と、液晶テレビHX850シリーズ(49V型/43V型)を発売。

 大画面有機ELテレビでは、同社有機EL史上最高画質を実現し、高音質にこだわったフラグシップモデルGZ2000シリーズ(65V型/55V型)に加え、8月下旬から新製品HZ1800シリーズ(65V型/55V型)、今月26日からHZ1000シリーズ(同)を発売する。

 新製品HZ1800/1000シリーズは、新4K衛星放送のHDR(HLG)画質を向上させるため、「AI HDRリマスター」を進化させ、明るく高コントラストな映像を実現した。

 独自の有機ELディスプレイパネル制御技術「Dot Contrast パネルコントローラー」を進化させ、明部に加え暗部の表現力を向上させた。

 音質面では立体音響技術「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」に対応。テレビのスピーカのみで上下左右から音に包み込まれる迫力の立体音響が楽しめる。

 HZ1800シリーズは、最上位モデルGZ2000シリーズに採用した「イネーブルドスピーカー」も搭載。その場にいるかのような臨場感ある音が楽しめる。

 また両シリーズには、好評の「転倒防止スタンド」をすっきりとした薄型デザインに進化させ、有機ELテレビに初めて搭載。新たにスイーベル(首振り)機能も搭載した。

 液晶テレビ「4Kビエラ」では26日からHX850シリーズ2機種(49V型/43V型)を発売する。

 「AI HDRリマスター」により、新4K衛星放送の高画質機能をさらに進化させたほか、立体音響システム「ドルビーアトモス」対応など高画質・高音質化、さらに地震に強い独自の「転倒防止スタンド」など、ボリュームゾーンながらハイパフォーマンスのモデルとして提案していく。

 このほか大画面液晶テレビ新製品として8月下旬には、独自設計「プレミアム液晶ディスプレイ」搭載の液晶テレビ最高峰モデルHX950シリーズ2機種(65V型/55V型)をはじめ、HX750シリーズ(55V型/49V型/43V型)や、7月下旬から10月にかけてHX900シリーズ3機種(75V型/65V型/55V型)を順次投入し、商戦を盛り上げる。