2024.11.14 放送機器展、60周年で初のアワード 優れた展示表彰
13日に開幕した放送機器の国際見本市「Inter BEE 2024」で、優れた展示を表彰する「Inter BEE AWARD」が実施された。開催60周年を記念した初めての試みで、部門ごとにグランプリと準グランプリを選出。審査委員長を務めた為ケ谷秀一氏は表彰式で「今回表彰した技術は、放送分野だけでなくメディア全体がどう変わっていくかを示している。新しいメディアのすそ野を広げるためにも、今後のアワードの発展に期待している」と述べた。
【プロオーディオ部門】
グランプリを受賞したのは、映像伝送規格「STMPTE ST 2110」に準拠したティアックのオプションカード「IF-ST2110」。同社のデジタルミキサー「TASCAM Sonicviewシリーズ」に装填するもので、通信分野のIP接続の規格に対応する。
準グランプリ受賞は、ジェネレックジャパン(東京都港区)の新製品「UNIO PRM」。状況に応じて聞こえ方を調整するリファレンス・ヘッドホン「8550A」を備え、スピーカーと同等のリファレンス・モニタリング環境を実現する。
【コンテンツ制作/放送・メディア(ハードウエア&ソフトウエア)部門】
グランプリを受賞したソニーマーケティングは、シネマカメラ「BURANO」のハイエンド映像制作への貢献が評価された。小型・軽量で少人数での撮影が可能だ。
準グランプリのセイコーソリューションズ(千葉市美浜区)は、高精度な時刻同期プロトコル「PTP」に対応するグランドマスタークロック「TS-2950」を展示。放送でのナノ秒レベルの時刻同期を実現した。
準グランプリのテレビ北海道(札幌市中央区)は、仮想環境を活用したリモート監視業務を実現する「バーチャルマスターオペレーター」で受賞した。ワイドモニターでさまざまな情報を一覧でき、インターネット環境があればどこでも監視業務に当たれる。放送業界の人手不足に対応する。
【コンテンツ制作/放送・メディア(トータルソリューション)部門】
NTTSportict(大阪市都島区)がグランプリ。タッチパネルで直感的な操作でライブ配信ができる「STUDIUM TUBE Touch」で受賞した。主にスポーツ配信での利用を想定し、テロップやCMを簡単に挿入できる。
準グランプリを受賞したアマゾンウェブサービス(AWS)ジャパンは、クラウド型の次世代放送プラットフォームが評価された。小規模な放送局の機能をクラウド上で完結させることができる。多チャンネル化への需要に迅速な対応を可能にする。
【エンターテインメント/ライティング/映像表現部門】
グランプリはハシラス(東京都北区)。MR(複合現実)体験ができるアトラクション型の展示「GATZUNT XR」には、ゴーグルを装着した多く来場者の姿が見られた。