2025.01.01 【家電総合特集】暮らし&ホームソリューション’25展望 掃除機
省家事ニーズ、清潔志向の高まりなどを背景に関心が集まるコードレススティック掃除機
コードレススティック型が人気
自動ごみ収集ドック付きも
掃除機市場では、共働き世帯の増加や高齢化を背景に、楽に掃除ができる軽量・コンパクトなコードレススティック掃除機の需要が伸びている。
コードレススティック掃除機は近年、ハイパワーな集じん性能に加え、清潔性や使い勝手の良さ、さらなる軽量化など、ユーザーの要望に応えるきめ細かな商品開発が活発だ。
各社からの新製品の投入も進み、コードレススティック掃除機の中でも、ごみ捨て回数を減らせる自動ごみ収集ドック付きモデルの発売が増え、注目されている。
コロナ禍を経て清潔・快適志向がより高まったことが、コードレススティック掃除機が注目される背景にある。室内の掃除頻度が増え、軽量で取り回しに優れる点が、まず支持されている。
掃除機市場でかつて主流だった床移動型のキャニスター掃除機に変わり、ここ数年でコードレススティック掃除機がメインの商品へと成長した。
共働き世帯や高齢・単身世帯の増加、ライフスタイルの多様化などによって、掃除機に求められるニーズは変化している。
中でも省家事ニーズは強く、より簡単に、手軽に、汚れが気になった時にサッと掃除したいというユーザーが増加している。こうしたニーズにコードレススティック掃除機は応える。
シャープの推定では、2023年度のスティックタイプ掃除機の構成比は全体の75%(約440万台)を占め、24年度はさらに高まるという。
こうした中、コードレススティック掃除機の商品戦略にも新たな動きが出てきた。紙パック式や自動ごみ収集ドックが付いたタイプが、最近話題を集めている商材だ。
紙パック式はキャニスター型の掃除機でも23年度に100万台以上という根強い需要があった。紙パック式の場合、ごみに触れることなく捨てることができ、清潔ニーズにマッチする。
自動ごみ収集ドックが付いた掃除機は、パナソニックがクリーンドック搭載セパレート型コードレススティック掃除機として21年10月に発売。
その後各社から同様のコンセプトの商品が投入されており、コードレススティック掃除機の中でも今後の成長が期待できる。
自動ごみ収集機能搭載タイプは、ダストボックスを本体から分離しているので、本体をより軽量・コンパクト化できるメリットがあり、掃除の負担を減らせる。また、ドックに戻せば自動で充電されるため、常に掃除の準備ができている状態となる。
スティック本体のごみ捨ては不要で、ダストボックスにためたごみはまとめて捨てられる。ごみ捨て回数が減らせ、負担軽減や清潔志向に応えられる。
ドック付きにとどまらず、フィルター清掃やごみ捨て時に手が汚れないなど、より清潔性を高めた商品戦略は全般的に強化されている。このほか静音性、運転時間の長さなど総合的に使い勝手を高めた商品開発が活発だ。