2026.06.08 パナソニック エナジー データセンター向け蓄電システム、28年度3倍増の1兆円規模へ 総額3500億円を投資

「Panasonic Group Investor Day 2026」で今後の成長戦略を語る只信社長

 パナソニック エナジーは8日、AI(人工知能)領域の市場拡大に対応し、同社が培ってきた蓄電システムのノウハウを生かしながら、2026~28年度の3年間で累計3500億円の設備投資を実施すると発表した。28年度にはデータセンター(DC)向け蓄電システムの売上高を現状の約3倍となる1兆円規模に拡大し、ROIC(投下資本利益率)20%以上を目指す。

 8日開催された「Panasonic Group Investor Day 2026」で、同社の只信一生社長執行役員CEO(最高経営責任者)は「経営リソースをDC向けに大きくシフトし、全社の経営効率を最大化させる」と28年度までの新中期計画の方針を述べた。

 DC向け事業を成長ドライバーとし、28年度には売上高2兆円規模、調整後営業利益(AOP)3000億円超を目指す方針だ。

 生成AIへの投資が加速し、特にハイパースケーラートップ4社による設備投資が28年度には25年度比2.5倍の1兆ドルを超えるという予測もある。

 こうした中、DCの消費電力の増大に対する高度な電源ソリューションへの要求は高まる一方だ。現に、同社に対しても先々まで「旺盛な引き合いをいただいている」(只信社長)のが実情だ。

 同社DC向け蓄電システムの売上高計画に含まれるBBU(バッテリーバックアップユニット)やCBU(キャパシタ―バックアップユニット)、26年度から本格的に投入を開始する電源専用ラック向けBBUといった商品は、「Award(開発推進・受注合意案件)獲得済み」(只信社長)という。

 こうした状況から、当初28年度に想定していたDC向け蓄電システム売上高8000億円は、一年前倒しで27年度には達成する見込みだ。

 旺盛な需要に対応し、設備投資を積極化する。日本では28年度にリチウムイオン電池(LIB)の生産能力を25年度比約3倍に引き上げるほか、大阪工場の車載向けラインを転用し4月から出荷を開始。モジュール(BBU・CBU)の生産能力増強(協力会社)にも取り組む。

 北米では、カンザス工場にDC向けラインを導入し、28年度から量産開始を予定するほか、モジュールについてはメキシコ第二工場で26年度に量産を開始する。27年度の量産開始を目指し新たに第三工場の建設も決めた。

 電源サプライヤーとも連携し、28年度には北米での調達率50%超への引き上げを目指すなどサプライチェーン対応力の向上にも取り組む。

 また、次世代に向けた提案力・開発力も強化し、DCに求められる高出力のLIB(セル出力200W以上)・BBUの先行開発、パナソニック インダストリーと連携し第一世代CBUの26年度量産開始を目指す。

 「28年度以降本格化すると想定されるHVDC(直流高電圧)対応のBBUも26年度中に量産準備する」(只信社長)考えで、「安全な電池を核とした蓄電システムでお役立ちを最大化できる、DC向け電源ソリューションプロバイダーを目指す」方針だ。