2026.07.22 官民投資拡大で日本再起動 高市政権初の「骨太の方針」決定 強い経済の実現へ

経済財政諮問会議・日本成長戦略会議合同会議に臨む高市首相(中央) 出所:首相官邸のホームページより

 政府は21日、経済や財政など重要政策の方向性を示す「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定した。「責任ある積極財政」という考え方の下で、多様なリスクを最小化する「危機管理投資」と先端技術を花開かせる「成長投資」を戦略的に進め、中長期的な成長力の強化を目指す。国の投資戦略を呼び水に民間活力をどこまで引き出せるか。その実効性が今後の焦点となる。

 骨太の方針の決定は、高市早苗政権で初めて。方針には、高市首相自ら考案した「『責任ある積極財政』元年 ~日本の挑戦を起動する!~」という副題が付けられたという。同時に投資の拡大策を示した「日本成長戦略」も決定し、首相はその実行計画を年末に向けた予算編成過程で取りまとめるよう関係閣僚に指示した。

 首相官邸で同日開かれた経済財政諮問会議と日本成長戦略会議の合同会議で、高市首相は「『強い経済』の構築と『財政の持続可能性』を一体的に実現していく」と強調。さらに、「『行き過ぎた緊縮志向』と『未来への投資不足』の流れを断ち切り、国内投資を徹底的にてこ入れする」と表明した。

 骨太の方針では、「強い経済」と「財政の持続可能性」を一体的に実現すると明示。こうした経済・財政の姿の実現に向け、責任ある積極財政元年と位置付けた2027年度から40年度までを計画期間とする「中長期経済財政計画」に取り組む方針も盛り込んだ。

 政府は、AI・半導体をはじめとする17の戦略分野を危機管理投資や成長投資を行う重点対象領域と位置付けた。さらに、優先的に支援する62の製品・技術も選定し、各製品・技術ごとに勝ち筋や方向性などを整理した「官民投資ロードマップ」を策定した。骨太の方針では、こうした具体的施策を着実に実行に移し、大胆な官民投資を実現するとしている。

新たな投資枠で潜在成長率引き上げ

 戦略17分野を巡っては、40年度までの累計で370兆円超の官民投資を想定。成長戦略の効果が十分に発現した場合、同年度にGDP(国内総生産)1100兆円に迫る経済成長を実現できるとの見通しも示した。加えて、「できるだけ早期に、実質で1%を上回る、名目で3%を上回る経済成長を定着させ、更に引き上げていく」と記した。

 骨太の方針には、潜在成長率の引き上げにつながる施策を打てるよう、上限を設けず予算要求できる「強く豊かな日本」投資枠の創設も明記した。経済安全保障上、特に重要な分野については、償還財源の裏付けがある「つなぎ国債」の発行で必要な資金を調達し、特別会計で別枠管理する。

 財政運営の目標設定を転換する方針も前面に押し出した。基礎的財政収支(プライマリーバランス)を「債務残高対GDP比の低下に向けて確認する指標」と位置付け、複数年で管理する。景気変動や投資の必要性に応じた「一時的な悪化」は許容するとし、単年度の黒字化を機械的に追わない考えを示した。