2026.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】事務機展望 複合機、オフィスDXのハブへ クラウド・AI連携を強化
課題解決型で需要創出
ペーパーレス化で複合機単体の販売が伸び悩む中、複合機を起点にクラウドやAI(人工知能)と連携するソリューションが好調だ。各社は「モノ」から「コト」へ転換し、複合機をオフィスDX(デジタルトランスフォーメーション)のハブと位置付ける。生成AIなどの技術革新をテコに、紙とデジタルを橋渡しして業務効率化、セキュリティー、データ活用まで支え、新たな成長を狙う。
出荷上向く、AI連携が競争軸
ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)によると、2025年の複写機・複合機の国内出荷は44万台で前年比1.3%減、金額は1.1%増の1967億円と横ばいだった。近年は台数が漸減していたが、26年は第1四半期(1~3月)、第2四半期(4~6月)とも台数、金額が前年同期を上回った。金額はそれぞれ6.7%増、9.6%増。ソリューション連携を背景に主力のA3カラー複合機も上向く。
日本では紙文化がDXの足かせとなり、経済産業省は「2025年の崖」で、変革が進まなければ巨額の経済損失が生じると警告してきた。改正電子帳簿保存法も電子化を促す。複合機とクラウドを結ぶ多様なサービスが広がり、AI連携の標準化も見込まれる。図表、画像、メールなどの非構造化データをAIが理解できる構造化データへ変え、検索、要約、分析に生かす機能が競争軸となる。
文書活用、生成AIで高度化
リコーとリコージャパンのDXパッケージ「スクラムシリーズ」は販売が前年比約30%伸びる。「DX&GXとAIで顧客の成長に貢献する」と掲げ、社内実践を加速して顧客への展開を進める。6月には生成AIアプリ開発基盤「Dify(ディフィ)」の無償テンプレートを提供。ナレッジワークとも資本業務提携し、社内実践の知見と同社のAI技術を融合したサービスを年内に投入する。
富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)は、累計販売1000万ライセンスを超えた「DocuWorks」をAmazonで販売。「FUJIFILM IWpro」ではAIによる非構造化データの構造化やチャット形式の文書要約を強化した。AI insideと協力し、非定型帳票の入力を効率化する「ApeosPlus desola」も提供。AIによる複合機保守基盤を開発し、アジア、欧米に続き10月をめどに国内へ導入する。
キヤノンマーケティングジャパンは、16年ぶりに刷新した「imageFORCE」でクラウド連携、業務効率化、働く場所の多様化に対応する。文書、複合機本体、ネットワークを包括的に守る「全方位防御」を提唱。デジタル化からAI活用まで支援する「DigitalWork Accelerator」も情報利活用基盤として強化する。
中小向け、環境・運用も支援
エプソン販売は、低消費電力が強みの「エプソンのスマートチャージ」で、文教や環境性能・BCP(事業継続計画)を重視する自治体、医療機関で高いシェアを持つ。「Epson Document Cloud」で紙文書の電子化から保存、検索、共有までを一元化し、企業の業務効率化と情報管理を支援する。
コニカミノルタは複合機を業務効率化の入力機器と位置付け、電子帳簿保存法対応のスキャンやセキュリティーを強化。「bizhubスキャン保存名人」は実用性と導入のしやすさで好評だ。
東芝テックは「e-STUDIO」シリーズで、「Collastorage(コラストレージ)」連携とOCR(光学式文字認識)を標準装備した「Plusモデル」が好評。IT支援、複合機サポート、クラウドストレージを一体化した「ITサポートパック」も始めた。
シャープはハード中心から「スマートワークプレイス」へ構造転換する。デジタル複合機の新ラインアップ「BPシリーズ」に生成AIを使う「eAssistant Guide」を搭載し、対話形式で操作やトラブル対応を案内する。
京セラドキュメントソリューションズジャパンは7月、SUPERNOVAの法人向け生成AI「Stella AI for Biz」と複合機の連携機能を提供した。









