2026.07.17 ノエトラ、国産AI開発を本格化 44社が出資、GPU2万7500基 30年度に実世界対応へ
国産AI(人工知能)の開発を目指すNoetra(ノエトラ)、ソニーグループ、ソフトバンク、NEC、ホンダは16日、AIロボットやフィジカルAIの基盤となる国産マルチモーダル基盤モデルの研究開発を本格化すると発表した。言語、画像、動画、音声など複数種類のデータを統合的に扱い、実世界で活用できる国産AIの実現を目指す。
ノエトラは、国産AIを開発する企業や、製造業をはじめAI活用を進める幅広い企業など計44社から出資を受ける。ソニーグループ、ソフトバンク、NEC、ホンダを中核企業とし、産業技術総合研究所やPreferred Networks(PFN)などから参画する技術者を中心に研究開発体制を構築する。
参画企業には、ファナック、安川電機、川崎重工業、オムロン、三菱電機、富士通、日立製作所、東京エレクトロン、村田製作所などが名を連ねる。参画する技術者が、これまでAIモデルの開発で培った技術やノウハウを生かし、研究開発を進める。
開発当初は、国内事業者が保有するAI計算基盤を活用する。さらに米半導体大手エヌビディアの協力を得て、最新GPU(画像処理半導体)「NVIDIA Rubin GPU」を約2万7500基搭載するAI計算基盤を整備する。2027年4月に構築を始め、28年6月の稼働を予定する。
26年度から、高度な日本語理解や論理推論、指示遂行の能力を備え、AIエージェントや言語処理の中核となる推論基盤モデルを順次構築する。2028年度には、言語、画像、動画、音声を統合的に処理するオムニモーダル基盤モデルを開発する。
30年度には、空間認識などの物理特性を理解し、実世界での活用を前提とする「実世界ネイティブAI」の実現に取り組む。開発したモデルは、研究開発や社会実装の進展に合わせて外部提供や公開を順次進める。
ノエトラの丹波廣寅社長は、日本がフィジカルAI分野で世界をリードするには、産業競争力を支えるマルチモーダル基盤モデルが必要と強調。「日本の産業や社会の変革を支える、信頼されるAIインフラの実現を目指す」とする。
ソニーグループの十時裕樹社長は「共同開発で得る知見をエンターテインメントや半導体の分野に生かし、新たな価値の創出につなげたい」と期待。ソフトバンクの宮川潤一社長は、日本企業が持つデータを国内で安全に活用できる環境の重要性を指摘した。AIインフラの提供などを通じ、ノエトラの取り組みを後押しする。
NECの森田隆之社長は、AI基盤モデルの開発からシステムの実装、運用までの技術を生かす方針を表明。「日本独自のモデルを開発し、選択肢を増やすことは経済安全保障の面でも重要」とした。
ホンダの三部敏宏社長は「ものづくりで培った技術や知見を生かし、モビリティーやロボティクス分野での社会実装を進めたい」としている。









