2025.01.03 【家電流通総合特集】我が社・団体の戦略 全日本でんき屋ネットワーク協同組合 川上浩央理事長
川上 理事長
正会員増へメリットをPR
顧客管理システム「ホクホク」提案
当組合で開発、販売している顧客管理システム「HOKUHOKU(ホクホク)」のVer6.8へのバージョンアップが昨年9月に完了した。大きな特徴は、最新のOSのウィンドウズ11に対応していること。今年のウィンドウズ10のサポート終了を前に、ソフトを持つ事業社は今後も継続して安心して利用できる。
今回のバージョンアップからプログラムとデータベースをマイグレーションしたため、少ないコストでバージョンアップ開発を推進できるようになった。これにより今後の開発がスムーズにできるようになり、最新のバージョンを常に提供できる。
ホクホクは、混売店だけでなく、利便性の観点から系列店などでも多く利用されている。
ソフトの利用者は現在、正会員よりも正会員以外が多い。また、利用している約2000社の利用者のほとんどが電気事業者だ。このほど、経済産業省から「HOKUHOKU事業を提供している組合員以外が規定数を超えているため改善が必要」という指摘が入り、8月下旬に「賛助会員」制度を導入した。
賛助会員は、さまざまな疑問や質問に速やかに的確に答えるサポートサービス(有償)を会費だけで利用できる。年間契約となるが、月額1100円で安心を得られる。事務局の体制も1人増員して3人体制とし、サポート基盤を整えた。
また、一般ユーザーでは受けることができないリモートサービスやバージョンアップ料金・機能アップ料金の割引サービスも特典として用意している。正会員になれば、有償のサポートも無償で受けられる。1957件のホクホクユーザーが賛助会員の使い勝手の良さを理解してもらい、そこから正会員になってもらえればと考える。
その正会員数は昨年9月末時点で169社。ホクホクの賛助会員の中から3、4社が正会員に加盟してくれた。賛助会員制度を制定してから正会員の下げ止まり傾向が続いている。正会員は延長保証、家電修理情報検索システム、共同購買などを利用できるほか、ウェブやリアルで開催している各種勉強会への参加もできる。賛助会員向けに正会員のメリットも伝えたい。
組合では、会員メーリングリストやSNSを活用した電気屋仲間同士の情報交換を推進しているが、リアルの場での交流も重視している。昨年11月には金沢市で令和6年度通常総会を実施した。総会の後には情報交換会や勉強会、懇親会などを行い、知識を高めるとともに親睦を深めた。
また、昨年6月に大阪と東京で「西・東日本勉強会」を開催した。アスベスト(石綿)の調査に関するセミナーなどを実施し、合わせて150人以上が参加。遠方からも足を運んでくれたことが印象的だった。
重要なのは、組合の脱退者に歯止めをかけて、正会員数を増やすということ。そのため、組合加盟のメリットや良さをPRすることに力を入れる。ホクホク、延長保証、家電修理情報検索システム、共同購買の4本柱で事業を推進し、組合を維持拡大できるように取り組みたい。