2025.01.08 【製造技術総合特集】主要各社の25年戦略 レクザム

住田 副社長

国内外で増産対応に備える

 レクザムはプリント基板外観検査装置事業をはじめ、EMSでは空調関連、民生機器、FA、車載、医療機器など幅広い領域をカバーしている。

 住田博幸副社長は「2024年は、23年までの過去最高売り上げ更新の勢いと比べると一服となる一年だった。部品供給不足や注残は解消したので生産量を増やしていきたかったが、各ユーザーの見込み発注による在庫増の消化に加えて、中国・欧州の消費低迷の影響が予想以上に足を引っ張った」と語る。

 日本国内では、香川工場で制御基板や眼科医療機器、基板外観検査装置、半導体製造装置等の冷熱源などの開発・設計・製造を行う。中でも基板実装工程は西条工場(愛媛県西条市)に設備や人的資源を集約して効率化を図り、さらなる増産対応に備える。

 海外生産拠点は、中国の深圳先隆電子および蘇州隆祥電子、タイのレクザムタイランド、インドのレクザム・ディクソン・エレクトロニクス、欧州のレクザムチェコを持つ。グローバル化を進める日系企業を中心に対応し、全拠点の生産能力は標準的な基板で月間120万~130万枚を備える。

 深圳先隆電子は、24年1月に工場移転を行い、敷地面積を1.5倍(1万6000平方メートル)へ広げた。SMT17ラインと67台の基板外観検査装置での生産体制を構築し、生産工程の自動化を推進している。

 また、眼科医療機器の生産ライン新設を準備しており、中国国内を中心にアジア圏のユーザー獲得を進めていく。

 レクザムタイランドでは、五つの面実装ラインを備え、440人体制で稼働している。増産に向けた設備増強のほか、現地のFORTH社とも強力なパートナーシップを結び、BCP戦略に欠かせない重要拠点の一つとして東南アジアでの受注獲得を推進している。

 インドでは、協力工場のディクソン社と設立した合弁会社レクザム・ディクソン・エレクトロニクスをインド北部に置き、四つの面実装ラインの運用のほか、設計・製造から販売までを手掛けている。今後は、経済成長著しい需要増に対応すべく、南部への工場進出も視野に入れている。