2025.01.17 【情報通信総合特集】情報サービス トップに聞く 25年の見通し・経営戦略 BIPROGY 齊藤昇社長
顧客のDX化さらに加速
コア事業、成長事業に積極投資
ICT市場ではDX投資が好調だ。2025年はさらに加速する。また、AIの技術は急速に進化している。今後はAIを使う技術が企業の中に広く浸透してくる。
当社の24年度上期の業績は、アウトソーシングを中心に全セグメントで増収となり、営業利益も増益になるなど順調に推移した。通期目標は据え置いたが、目標を上回ることを目指していく。
昨年、24年度から26年度の3カ年間を対象とした「BIPROGYグループ経営方針(2024-2026)」を策定した。26年度の事業目標は売上収益4200億円、調整後営業利益率11.0%に設定している。コア事業では、集中と選択により、成長価値と収益性を高め、成長事業では、積極的な投資により、新たな収益基盤を確立していく。
コア事業はファイナンシャル、リテール、エネルギー、モビリティー、OTインフラの5事業からなる。当社の基盤であり、お客さまのDX化を進める上で重要で、確実に伸ばしていく。適切な経営資源の配分と開発生産性・安定性の向上により、コア事業全体の拡大を目指す。また、M&Aや業務提携を含む国内外パートナーとの連携、生成AIをはじめ新技術による開発の自動化、サービス型ビジネスの提供価値向上を図っていく。
成長事業は市場開発、事業開発、グローバルを重点戦略として取り組む。市場開発では、データやAIの利活用、マネージドサービス、事業開発ではSX/GXの排出マネジメント事業、デジタルマネー分野などに取り組む。
世界で通用する会社を目指して社名を「BIPROGY」に変更した。ASEAN主要国でのビジネス展開、北米マーケットなどへのアプローチを強化する。ASEAN地域でのビジネス拡大の一環として、SAPソリューションを展開するタイの会社とマレーシアのソリューション会社を連結子会社化した。ASEAN地域は順調に立ち上がっている。
投資戦略では向こう3年間で思い切った投資を行う。700億円+αの投資を予定。この中には、重要なアセットである人的資本への投資、ソリューションやサービスを開発する投資、スタートアップとのエコシステムへの投資が含まれる。
人財戦略を強化していく。この一環として、新たな人事制度もスタートした。当社は技術の会社であり、将来に向けた技術者の育成などにも積極的に取り組んでいく。
コア事業と成長事業をうまく回していくことが、中計で掲げる経営目標を達成していく上で重要になる。
Vision2030で掲げるデジタルコモンズで、誰もが幸せに暮らせる社会づくりを目指していく。