2025.01.22 【ネプコンジャパン/オートモーティブワールド特集】ネプコンジャパン 見どころ/事業戦略 松尾ハンダ
竹を素材としたCNF添加した「FLF01-BZS(V)」のロゴ
竹素材のソルダーペースト紹介
松尾ハンダは1953年創業、神奈川県大和市に本社工場を構え、棒はんだ・糸はんだからソルダーペーストまでを取り扱うはんだに特化した製造メーカーだ。ネプコンジャパンでは、「竹」を素材としたセルロースナノファイバー(CNF)を添加したソルダーペースト「FLF01-BZS(V)」を中心に展示紹介を実施する。
CNFとは、木材から化学的・機械的に処理を施して取り出したナノサイズの繊維状物質のこと。環境負荷が少なく、特性面からみても軽さや強度、耐膨張性などさまざまな面で優れている植物由来の素材だ。一般的に、重さは鉄の5分の1、強度は鉄の約5倍あるといわれている。用途として広く使われているのは、強度を上げるためにプラスチックに配合して容器などの製品に用いられるほか、植物由来であることの特長を生かして食品への利用も進んできている。
普及が進むCNFの中で同社は、「竹」を素材としたCNFに着目。総合製紙メーカー・中越パルプ工業や富山大学、神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)など産官公の共同研究に参画、ソルダーペースト用のフラックスに添加するといったコラボレーションで誕生したのがFLF01-BZS(V)だ。
CNFをはんだに添加することで得られる特長は、低ボイドであること。ボイドははんだの強度低下の原因につながるため、ボイドを減らす商品が求められている。従来商品がボイド率13.9%のところ、FLF01-BZS(V)を使用すると同2.2%にボイドが減少。フラックス活性時に発生時するガスを吸着して外に排出する効果があるからという。また、結晶粒界の密着性が高まることで、接合強度が向上する。
低ボイドで接合強度が高いFLF01-BZS(V)を、SMTなどの産業機器に加え、車載関連にもニーズがあるとみて、訴求していく。