2025.01.24 アプリ外課金の新会社、ゲーム販売企業の収益拡大を支援 巨大ITの寡占解消へ
ロゴを掲げるゲームエイトの沢村社長とソニーペイメントサービスの溝口取締役専務執行役員
ゲーム関連事業を手掛けるゲームエイト(東京都渋谷区)と決済代行サービスを提供するソニーペイメントサービス(東京都港区)は23日、スマートフォンゲームのアプリ外課金などの決済事業を行う合弁会社「S8 Plus」(東京都渋谷区)を設立した。アプリ外課金の仕組みを短期間で導入できるサービスなどを提供し、ゲーム販売企業の収益の最大化を支援する狙いだ。
合弁会社の出資比率はゲームエイト60%、ソニーペイメントサービス40%。ゲームエイトの沢村俊介社長は「それぞれの強みを生かし、送客で終わらないエコシステムの構築や、データとノウハウの統合、安全性の強化を目指すには、業務提携ではなく合弁会社という形でお互いが積極的に関与するのがベストだと考えた」と説明した。
スマホアプリ決済は海外資本の特定プラットフォームによる寡占状態にあり、アプリの販売企業はプラットフォ―ム側に多額の手数料を払い、収益を圧迫されているという課題がある。海外でこの寡占状態を解消する動きがある中、日本でも「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」が2024年6月に成立。アプリ上で特定プラットフォーム以外への誘導制限が禁止された。
新会社は、ゲーム販売企業がアプリ外課金の仕組みをサイト内に短期間で導入できるパッケージ「S8 Shops」を提供する。アプリ内アイテムを直営サイトで販売できるようになる。
月間5億PVのゲーム攻略サイト「Game8」で、ゲーム内アイテムやゲームダウンロードキーを販売できる「Game8 Store」の運用も開始。沢村社長は「(ゲーム販売企業は)プロモーションから決済まで一気通貫でできる。ユーザーは(ゲームアイテムを)買いたいと思ったタイミングでそのまま行動に移せる」と強調。「広がる選択肢と、公平な価格というところに魅力を感じてほしい」と話した。
ソニーペイメントサービスの溝口純生取締役専務執行役員は「Eコマースを中心にやってきたが、飽和状態にある衣料や食料品の市場に比べ、ゲーム・エンタメ業界はまだ成長し、我々の成長にもつながるビジネスだ」と期待を語った。