2025.02.28 路面電車にナノイーX 京都で運行開始

披露された新型車両「KYOTRAM」

車内にはナノイーのマークも車内にはナノイーのマークも

 JR東日本テクノロジーとパナソニックが共同で開発したナノイーX発生装置が、28日に運行がスタートした京福電気鉄道の新型車両「KYOTRAM」に搭載された。京福電鉄、路面軌道用車両にナノイーXが搭載されるのは今回が初。運行がスタートした同日には、京福電気鉄道嵐山駅(京都市右京区)で披露式を実施し、関係者や鉄道ファンが多数集まった。

 パナソニックが開発したナノイーは、空気中の水分に高電圧を加えて生成するナノサイズの微粒子イオン。さまざまな物質に作用しやすいOHラジカルを含む。

 このOHラジカルの生成を従来比10倍に高めたのがナノイーX。脱臭や菌・アレル物質の抑制など多様な効果がある。端末のグローバル累計出荷台数は2024年に1億台を突破した。

 両者は鉄道車両に最適な形を開発し、ナノイーXデバイスに制御電源装置を組み込む形で製品化。今回の京福電気鉄道の採用により、鉄軌道車両におけるナノイーの採用は17社となった。

 新型車両の設計コンセプトは「人にやさしい路面電車」。車両にはナノイーXを搭載したほか、座席は座面幅460ミリメートルの人間工学に基づいたバケットシートを採用し、快適性や安全性を向上。室内照明は暖色LED、側天井面を照らす間接照明を採用し、落ち着いた空間を提供。安全面では扉からの乗降時の安全性を高めるホーム検知装置、光電センサーを搭載する。

 当日の披露式では関係者が集まりくす玉割りやテープカットなどを実施。午前11時8分には1番列車が出発し、多くの鉄道ファンが見送った。 京福電気鉄道では28年度までにナノイーXを搭載する合計7両の新型車両を導入する計画だ。