2025.03.19 【日系電子部品メーカー・商社 中国台湾拠点特集】たけびし 車載や半導体関連の案件獲得へ

山元 総経理

 たけびしは、創立100周年となる2027年3月期を最終年度とした中期経営計画「T-Link 1369」で海外売上高315億円を目指している。グローバルの取り組みでは「更なる成長機会の獲得に向けた未開拓領域・分野への挑戦」を目標に掲げた。主要な拠点の一つの竹菱香港有限公司の山元直也総経理は「来期の売上高は、前年比1.2倍を目標に掲げ取り組む」と話す。

 同社は1996年に中国の拠点として設立。26年に30周年を迎える。日系企業のサポートを行うほか、新規のローカル企業の開拓を推進。24年1~12月の売上高は商環境の変化を着実に捉え、前年同期比1.2倍で着地。新規案件を積極的に展開するなどビジネスを前向きに獲得した。

 今年も前年比増の目標にチャレンジし、車載向けのビジネスや半導体向けの案件を確実に獲得する。このほか、中期経営計画の事業強化で、既存の枠組みを超えたNEWビジネス創出で推進中の「マテリアル」への拡充も展開する。

 中期経営計画で、マテリアルは①製造業向けメカ部品提案による商社機能拡充②海外製加工品のOUT-INビジネス強化③建材・磁石などの商材拡充による事業領域拡大-の三つが重点項目。香港では部品・素材系の商材を拡充し、デバイス、モジュールとともに提案。マテリアルは磁石や樹脂形成材料など、納めるデバイスの周辺素材として提案する。

 今年の中国経済の見通しについて山元氏は「景況感はあまりよくない。立ち直るまでに時間がかかる。その中で、伸びる会社はある。事業を推進する企業と連携し、仕入れ先とともに伸ばしていきたい」と話す。今年は連携拠点の深圳で1、2人の増員を予定。増員は販売、品質の強化に取り組む。

 今年も引き続き、新規案件の開拓やローカルの駐在員の推進でローカル企業の開拓も進める。山元氏は「今年にはASEANとの連携による活動も強化したいと考えている。BCPの観点も含め積極的に取り組む」と今後の抱負を語った。