2025.03.19 【日系電子部品メーカー・商社 中国台湾拠点特集】RYODEN 現地データ利活用、リカーリング事業を展開

赤司 局長

 RYODENの東アジア戦略局は中国上海を中心に深圳、広州、大連、成都、合肥、厦門、そして香港、台北、韓国ソウルに拠点を置く。

 従来の物販に加えデータ利活用による環境・省エネ・生産(DX)における課題解決に向けたリカーリングビジネスなどソリューションを拡大。赤司圭一東アジア戦略局長は「価値創出による継続的な収益拡大を目指す」という。

 中国市況は不動産低迷の影響が続くが中国半導体製造装置メーカーは堅調。ただ米国の政策は注視する。

 現地企業の家電、空調機器は輸出をベースに増加傾向にあり、2025年後半の回復に期待する。

 21~22年に設立した合肥、厦門の拠点は工場自動化関連で事業拡大。24年は市況低迷が影響したが「顧客の近くでのサポートは非常に有効」(赤司氏)と手応えを語る。当面全拠点を維持し内陸への進出も探る。

 一方、地元メーカー台頭による物販の競争激化を意識し各拠点でソリューションへの転換は急ぐ。「中国の顧客は日本以上に製造現場などのデータを収集しているが活用に課題がある」(赤司氏)とし、リカーリングビジネスに生かす。

 現地戦略パートナーと日本に拠点を置く全社技術・ナレッジの集約地点である戦略技術センターと連携を強化。パートナーを使いこなす現地人材も育成した。

 データ利活用には人工知能(AI)サービスも検討。チャットGPTに迫る生成AIディープシークの台頭で「中国全土が動いている」とし関連企業も多く進歩が速いと期待する。

 東南アジア戦略局と連携し中国企業のタイ、ベトナム進出も支援。進出先で刈り取りを図る。競争力のある中国ローカル商材・ソリューションの東南アジアをはじめとする海外に向けた展開にも商機をみるが米国の関税には目配りする。

 台湾は現地パートナーとの連携による事業モデルが直近2~3年で成果を出した。RYODEN独自のモデルとして深化させ中期経営計画に反映する。