2025.04.29 介護現場の記録をAIで効率化 シーディーアイがレポート作成を後押し

AIけあレポート

ヘルパーからの報告を行う機能「共通メモ」の文章を要約・分析するヘルパーからの報告を行う機能「共通メモ」の文章を要約・分析する

 介護事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するシーディーアイ(東京都中央区)は5月1日、AI(人工知能)を活用して介護記録を分析・要約する機能「AIけあレポート」の提供を始める。介護サービスの担い手の業務負担を軽減するとともに、質の高いサービスを実現できるよう支援したい考えだ。

 今回の機能は、介護事業所向け介護記録ツール「けあピアノート」で提供するオプション。同ツールに入力された日々の介護記録に基づき、変化する介護サービス利用者の状態や満足度などを分析し、その内容を要約した文章として自動生成してくれる。

 介護サービスを提供する責任者は、こうした機能を利用することで例えば、手作業で行っていた介護支援専門員(ケアマネージャー)向け報告書の作成業務を効率化。責任者間の情報共有も促進できるようにする。

 AIによる分析の対象期間は、過去の介護記録のうち最大2カ月間という任意の期間。利用者の状態は「起きる」「食べる」「排泄する」「清潔にする」「活動する」という5つの基本ケアに沿って分析するという。

 さらに、AIで作成した文章を編集欄で加筆・修正できる手軽さも売り。短期目標を入力することで、サービス利用者の状況をまとめた「モニタリング報告書」の作成にも生かせる。

 開発トライアルに参加した事業者の評価は上々で、現場にプラスの効果をもたらしている。例えば、「利用者の最近の状況を知らせてほしい」というケアマネージャーの要望に対して、要点をまとめた回答を迅速に返したところ、「喜んでもらえた」という。

 オプション利用料金は、1事業所あたり月額3000円(税抜き)。