2025.05.02 「家電のように捉えて」 スマート化するブラインド、インテリアから家電の時代に
近年、インターネットにつながる「スマートホーム」を実現する機器の種類が増えてきた。窓に欠かせないブラインドやカーテンも、“電動”によるスマート化という選択肢が存在感を高めている。
ブラインドを中心に製造・販売を行う立川ブラインド工業(東京都港区)は、スマートホームに力を入れている。4月からは、リンクジャパンが提供するスマートホームの統合アプリ「HomeLink(ホームリンク)」から、ブラインドやロールスクリーンを操作できるようにした。インテリアとしてのイメージが強いカーテン・ブラインド類を「家電的に捉えてほしい」という思いを込め、より身近な存在になることを目指した対応だ。
ホームリンクに対応したのは、2007年から展開する住宅向け電動ブラインドなどを中心とする「ホームタコスシリーズ」。リモコン操作が基本だったが、「リモコンをまとめたい」という要望に応えるために、アプリに対応。6月2日からはカーテンレールも追加する。バッテリー仕様のため、コンセントに接続せず使えるのも特長だ。
ホームリンクで操作するには、立川ブラインド工業の専用IoTアダプターが必要で、4台まで接続できる。同社製品以外も、アプリに対応するメーカーの製品であれば一括操作できる。
専用アプリを採用して自社製品の囲い込みにつなげたいと考えるメーカーも多いが、IoT家電に興味があるユーザーの使い勝手を考え、他社製品とつなげられるホームリンクを選んだ。
同社がホームリンクを選んだ決め手について、マーケティング本部販売促進部MD課課長の松尾宗哉主事は「アプリの評価が高かったから」とする。
アプリを導入することで、日の出時間に合わせてカーテンやブラインドのタイマーを設定したり、留守中に自動で開閉し防犯対策として活用したりできる。
アプリに接続したブラインドなどの操作状況をリアルタイムでユーザーが確認できるようになったことで、見守りツールとしての活用も期待できる。ネット接続したホームリンク対応の製品を離れて暮らす親がリモコンで操作した場合でも、あらかじめアプリに登録しておけば開閉状況を確認でき、見守りにつなげられる。
現状は一般住宅向けのカーテン・ブラインド類に対応しているが、今後はオフィス向け製品のアプリ対応や、賃貸住宅への導入も視野に入れる。
カーテンやブラインドなどは、遮熱性による省エネ効果だけでなく、水拭きできる製品など住宅にとって導入するメリットは大きい。
そこに電動という機能を付け加えることで、デジタルネイティブ世代が家を建てる際、スマート化した製品を導入の選択肢にすることを目指している。
マーケティング本部販売促進部SP課課長の堀内麻実子主事は「ホームタコスシリーズの売り上げは伸びている。付加価値を付けて販売していく」と話した。