2025.05.09 NECがサイバーセキュリティーセンター新設 日本のデジタルインフラ防衛強化

報道陣に公開された「Cyber Intelligence & Operation Center」=8日、川崎市

 NECは、日本のデジタルインフラの安全性を確保するため、サイバーセキュリティー事業の強化に乗り出した。8日、新たなサイバーセキュリティーセンターの立ち上げを発表。データセンターの運用ノウハウを持つKDDIと連携して、純国産のセキュリティー基盤を共同構築する方針も打ち出した。政府向けセキュリティーシステムを手掛けるNECの知見と融合させ、世界規模でセキュリティー監視体制の立ち上げを目指す。

 NECのデジタルインフラ防衛の拠点となるのが、10月に川崎市内に新設する「サイバーインテリジェンス&オペレーションセンター(CIOC)」だ。複雑化・高度化するサイバー攻撃や各国で異なる法規制に対し、地政学的な脅威分析やグローバルな攻撃トレンドを踏まえた監視をサプライチェーンまで含めて網羅的に実施。NECが独自開発した生成AI「コトミ」や、自律型のエージェンティックAIを活用し、サイバー脅威情報の収集・分析・可視化・対処の90%を自動化する。

 米非営利団体ISC2が認定する「CISSP(情報セキュリティ・プロフェッショナル)」の資格保有者560人超を擁するなど国内トップレベルのサイバーセキュリティー専門家集団が分析から対処までを支援。リアルタイムで分析結果を報告し、効率的に高精度な対応を目指す。セキュリティー人材の育成拠点としても活用する。  (つづく)