2025.05.21 台湾の産業向けSSD大手 データセンターの「ニッチパートナー」へも製品展開

イノディスク製SSD搭載の「AEX-2UA1」を用いた生成AIのデモンストレーション

イノディスクのSSDの新製品イノディスクのSSDの新製品

 組み込み型ストレージを手がける台湾のInnodisk(イノディスク)は、産業向けだけでなく、サーバーやデータセンターといった分野向けにも製品展開を進めている。台湾・台北市で開催中のICT見本市「COMPUTEX(コンピュテックス)」に展示している最新の記憶装置「SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)」もその1つだ。

 新製品は、今年第2四半期にサンプル出荷する予定の「PCIe Gen5 SSD」シリーズだ。CPU(中央演算処理装置)やチップセットをつなぐ高速データ通信規格「PCIe」の第5世代に対応し、通信経路を4つ備える。

 最大読み取り速度が1秒当たり14GB、書き込み速度で同10GBという高速通信を実現した。電子機器や部品の形状やサイズに関する標準規格であるフォームファクターに関しても、複数のものに対応。さまざまな顧客ニーズに応えるカスタマイズが可能だ。

 同社は、これまで産業機器向けに展開していたSSDを、データセンターにも展開する戦略をとっており、今回の製品もその1つ。その戦略についてブース担当者は「大企業が運用するデータセンターではなく、ニッチパートナーに向けた少量多品種の製造を行っていきたい」と話す。

 イノディスク製のSSDを搭載した、グループ子会社であるAetinaのエッジ AI(人工知能)向けサーバー「AEX-2UA1」も展示。エヌビディア製の最新GPU(画像処理半導体)が搭載できる設計で、オンプレミス(自社所有)でローカルLLM(大規模言語モデル)を使用できる。日本法人の担当者によると、「(日本でも)すでに何社かアプローチしている」という。

 ストレージとして多くの電子機器に使われているSSD。その潜在的な顧客は多く、イノディスクもその発掘を進めていきたい考えだ。