2025.05.22 台湾発のAI搭載PCに熱い視線 使い勝手やリサイクルで創意工夫

表彰を受けた「Aspire Vero 16」。ケースにプラスチックとカキの殻の混合物を使用。

AMDのチップを搭載したASUSのExpertBookAMDのチップを搭載したASUSのExpertBook

 台湾・台北市で開催中の「COMPUTEX(コンピュテックス)」はBtoB(企業向け)の展示が目立つ見本市だが、AI(人工知能)搭載のパソコン「AI PC」も存在感を放っている。成長が見込まれるAI PC市場の開拓を狙う台湾PC大手のAcer(エイサー)やASUS(エイスース)の競演からも目が離せない。

 AI PCとはAIを使用できるPCで、多くは米マイクロソフトが開発したPC向けの新AI機能「Copilot+PC」に対応する。

 ASUSは、CPU(中央換算処理装置)に米AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)製のチップを採用したPシリーズと米インテル製のBシリーズを展示。Pシリーズの全ラインアップは今回の見本市に合わせてリリースされた。AI機能だけでなく、手でねじを回して組み立てられる機構やリサイクル素材の使用もアピールしている。

 AcerはインテルやAMDに加え米クアルコム製CPUを搭載したモデルを紹介。AMDはハイパフォーマンス向け、インテルはミドルレンジ向けを展開。クアルコムはバッテリー性能に優れたモデルと、それぞれ特徴を持った製品をラインアップしている。

 このうちインテルコアを採用した「Aspire Vero 16」は、同見本市で開く表彰イベント「ベスト・チョイス・アワード」で、「サステナブル・テック・スペシャル・アワード」を受賞した。ケースに再生プラスチックとカキの殻の混合物を採用した環境にやさしいAI PCで、温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルに貢献するPCとして注目を集めそうだ。