2025.05.30 コンテナ型データセンター、25年度中に提供へ　最短8カ月で構築　NTTデータ

コンテナ型データセンターの試作機

　NTTデータは30日、生成AI（人工知能）の需要拡大に対応するため、2025年度中に「コンテナ型データセンター（DC）」の提供を目指す方針を明らかにした。DC事業を手がけるゲットワークスと共同で、冷却性能や熱負荷に関する実証実験に5月から着手した。

　NTTデータが開発を進めるコンテナ型DCは、首都圏の同社DCに20フィートコンテナを設置して運用する。最新の液冷対応GPU（画像処理半導体）を搭載し、高発熱なサーバーにも対応できる設計にした。

　短期間での構築が可能で、最短8カ月でサービスを開始できるほか、コンパクト設計により初期投資を抑えられるようにした。顧客専用のプライベート環境も用意し、機微情報の漏えいリスクを抑えるほか、システム管理も顧客主導で行えるという。

　実証実験の結果を踏まえ、25年度中の本格サービス開始を目指す。今後は地方の再生可能エネルギー発電所への設置も視野に入れ、地産地消型DCとしての展開を検討する。

　同社がコンテナ型DCの開発を進めるのは、自然言語処理や画像生成、音声生成など生成AIの活用が急速に広がる背景がある。AI開発や運用には高性能GPUが不可欠な半面、GPUを大量に設置できるビル型DCの構築には、広大な土地が必要であったり、工事が長期化したりする課題があった。短納期、低コストで柔軟な拡張を可能にするコンテナ型DCで、急激なニーズの変化にも迅速に対応する考えだ。