2025.05.30 ライフサイエンス業務の効率向上をAIで支援 Veeva Japanが2030年視野に事業戦略を表明
全席に昇降デスク、ダブルモニターがあり、フリーアドレスの新オフィス(提供:Veeva Japan)
ライフサイエンス業界向けクラウドソリューションを提供するVeeva Japan(ヴィーバジャパン、東京都渋谷区)は、企業の生産性向上を後押しする方針を打ち出した。東京都内で開いた事業戦略説明会を開いたもの。同業界に特化したプラットフォームやアプリケーションにAI(人工知能)を搭載し、主要業務を自動化できるよう支援する。
同社は2030年を視野に掲げる「ライフサイエンス業界の変革と成長を支える真のパートナー」というビジョンに基づき、「Veeva AI」という主要イニシアチブを表明した。「AI Agents」や「AI Shortcuts」といった機能をライフサイエンス業界に特化したプラットフォーム「Vault Platform」とアプリに追加。プラットフォームに構築された各アプリでAIを活用し、業務の自動化や従業員の生産性向上をサポートする。
例えば、ライフサイエンス業界の顧客対応を支援するCRM(顧客情報管理システム)の「Vault CRM Suite」には、「CRMボット」や「コンプライアントフリーテキスト」などのAIが搭載される。CRMを利用する際、医療従事者向けコンテンツから目的の情報を素早く見つけられる。製薬企業担当者と医師の会話を記録する際にも威力を発揮し、コンプライアンス上のリスクを検知してくれるなどの機能があるという。
AI戦略では、Veeva AIだけでなく、Veeva以外のAIやソフトウエアへ即時性の高いデータを提供する高速API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の展開にも注力。AIベンダーなどの外部企業を支援する「パートナープログラム」にも力を入れる。
新オフィス開設
同社はVeeva Systemsの日本法人。5月上旬には東京都渋谷区で新オフィスが稼働した。面積は2倍に、デスク数で3倍に増えた。
説明会で千葉弘崇ゼネラルマネージャーは「隣の社員が何をやっているかを共有し、才能の相互理解を深めることによって、提案能力を向上させたい。隣の領域にも価値を出せるようにしていきたい」と話している。