2025.06.11 「全方位からゴミを取り除ける」 シャークニンジャが新型ヘッドのスティック掃除機

前後左右からゴミを吸い取る「Shark PowerClean 360」

新たに開発した「360インテリジェントノズル」新たに開発した「360インテリジェントノズル」

 前後左右の全方位からゴミを取り除ける――。米家電メーカー、シャークニンジャの日本法人は、そんなコードレススティック掃除機を18日に発売する。磨いた掃除性能を武器に国内スティック掃除市場の開拓を狙う同社の最前線に迫った。 

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 「部屋中どこでも掃除を快適に行える」。記者が今回投入する最上位機種「Shark PowerClean 360(シャークパワークリーンサンロクマル)」を東京都渋谷区で開かれた体験会で実際に試すと、新製品は目を見張る実力を備えていた。 

 中でも注目したのは、ゴミを残さず取り除く工夫だ。新開発の「360インテリジェントノズル」に加えて、ヘッド部の後方に「アクティブフラップ」と呼ぶ機構を採用。掃除機の動きに応じてフラップが前後に倒れて空気の流れを調整する仕組みで、後ろに引いた際にもゴミを効率よく吸い取ってくれる。 

3種のセンサーを駆使 

 この機構に、ゴミの量を検知し吸引力を自動調整する「iQセンサー」、床材に応じてブラシの回転速度を自動制御する「フロアセンサー」、壁際で吸引力を最大2倍に高める「エッジセンサー」という3種のセンサーを組み合わせ、徹底的に取り残しを防ぐ。 

 ブラシロールも進化し、従来のラバー製フラップから「ケブラー繊維」に変更。これまでは高速回転時に床に当たる音が目立っていいたが、この繊維の採用で静音性を高め、ゴミの除去の性能や耐久性も向上させた。また、床を明るく照らす「青色LED(発光ダイオード)ヘッドライト」を搭載しているため、細かいゴミでも見やすい。 

 スティック時の本体サイズは、高さが1080ミリメートル、幅が228ミリメートル、奥行きが321ミリメートル。重量は約2.2キログラム。市場想定価格は税込みで9万9000円。全国の家電量販店やインターネットショップなどで発売予定だ。 

家庭調査の声を反映 

 今回の製品には、家庭への訪問調査で吸い上げた「掃除機を後ろに引いたときにゴミが取れない」という声を反映。ヘッド一つをとっても、細部への気配りが行き届いていた。 

 そのサイズを日本の住環境に合わせて小型化することで、家具の隙間にあるゴミも掃除しやすくしたという。 

 ブラシロールには、従来の製品同様に毛をほぐして吸引する仕組みを採用。さらに本体をサブ機「自動ゴミ収集ドック」に戻すだけで充電しながらゴミを自動収集できる。腰をかがめずに操作できるよう、ゴミ収集の停止ボタンを上部に配置するというこだわりようだ。 

 背景には、2018年に日本に初上陸以来、国内消費者の声に耳を傾け、掃除の困りごとを解決できる製品を追求してきたシャークニンジャの実績がある。 

日本の住環境に配慮 

 日本法人でプロダクトマーケティングシニアマネージャーを務めるジャッキー・チャン氏は「日本の消費者のニーズを把握し、国内の住環境に合わせた設計になっている」と説明。続けて、「日本と米国、中国で情報共有し、時には時差も活用しながら開発を行った」と振り返った。 

 顧客にとっての「理想の掃除」を追い求めてきたシャークニンジャの挑戦から、今後とも目が離せない。