2025.06.25 シンガポールのデータセンター運営大手STT GDC、千葉・印西で第1号が開業
STT GDCが開設したデータセンター「STT Tokyo 1」の外観=千葉県印西市
シンガポールのデータセンター運営大手、STテレメディア・グローバル・データセンターズ(STT GDC)は25日、日本初となるデータセンターを千葉県印西市に開設した。進化が著しい人工知能(AI)やクラウドサービスの普及を背景に急速に拡大する国内のデータセンター需要に応える。
「大規模データセンターの一大集積地」として知られる同市でSTT GDCは、千葉ニュータウンに立地する「グッドマンビジネスパーク」内に2棟のデータセンターを建設する計画を進めており、その1棟目となる「STT Tokyo 1」を開設した。全面的な稼働時に、最大で32メガワットを供給する。2027年11月には、2棟目が開業する予定だ。2棟の合計で延べ床面積は6万平方メートルに達し、電力容量は70メガワットを誇る。
さらに持続可能な社会づくりという世界的な要請に応えるため、データセンターの運用開始日から温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を達成。こうした要請を踏まえながら施設の設計と実装に関する厳格な要件を定めた国際規格「TIA-942-C」の認証を世界で初めて取得した。
同社は世界12カ国の主要市場でデータセンター事業を展開し、運営する施設数は100カ所を超えた。今度も積極的に同事業を拡大する方針だ。同日に市内で行われたオープニングセレモニーで日本法人「STT GDC Japan」の前田潔社長は、グローバルな実績に触れた上で、「最新鋭のテクノロジーと優れたオペレーションにより、AI対応の高度なサービスを内外の顧客に提供できるデータセンターと自負している」と強調した。
STT GDCグループCEO(最高経営責任者)のブルーノ・ロペス氏も登壇し、「企業の可能性を引き出し、経済成長を促し、日本の今後のデジタル化に貢献したい」と意欲を示した。