2025.09.10 セミコン台湾、台北でプレスカンファレンス 台湾半導体業界の中長期ビジョン示す
セミコン台湾の開幕前に開催されたプレスカンファレンス。左から2人目が曹SEMI台湾社長
【台北=田坂弘明】SEMIは8日、当地できょう10日から開催される「セミコン台湾2025」に先立ち、台北市内のホテルでプレスカンファレンスを開いた。展示会の見どころに加え、台湾半導体業界が取り組む中長期ビジョンも示された。
30周年の節目となる今回のセミコン台湾。過去最高となる1200超の企業が出展し、会期中の来場者は10万人以上を見込む。
現在の半導体業界をけん引しているのは、AI(人工知能)関連のアプリケーション。プレスカンファレンスで、曹世綸グローバルCMO(最高マーケティング責任者)兼SEMI台湾社長は「AIの成長が業界を再構築している。AIに関わる大手システム企業は、半導体バリューチェーン全体でより緊密なパートナーシップを築いている」と述べた。
今年のセミコン台湾ではAIをはじめ先進製造、異種接合、量子、シリコンフォトニクスなど、最先端の半導体製造技術に焦点を当てる。また、3DIC、HBM、地政学戦略が新たな技術テーマとして加わり、特別展示や技術フォーラムが開催される。
最重要テーマのAIについては、特別に「AIテクノロジーゾーン」を設置。チップ製造やIC設計に関わる最新技術が展示される。ASEやASM、アドバンテックなどのリーディング企業が、幅広いバリューチェーンを紹介する。
プレスカンファレンスには主要半導体関連企業のCEOも登壇した。グローバルウェーハズの徐秀蘭CEOは「半導体製造を支える材料の供給を維持できる強固なサプライチェーンが必要」と強調。ASEの呉田玉CEOは「今後、半導体産業のグローバル市場規模は1兆ドルを超え、さらなる成長に向けて重要なステージに入る。バリューチェーン競争力を再構築していくことが重要だ」と話す。
サプライチェーンの強化とともに、さらなる成長に向けた施策も加速させる。成長の要となるのが人材だ。SEMIはこのほど、人材強化の一環として、半導体業界に顕著な貢献をした40歳未満の若い才能を表彰するアワード「SEMI 20 UNDER 40」を立ち上げた。
優れた若手リーダーを表彰し、業界の発展を後押しするだけでなく、新たなアイデアや画期的な技術の誕生を促進することを目的に実施する。2025年の受賞者は決定しており、セミコン台湾の会場で表彰式が行われる予定だ。
セミコン台湾2025の会期は10~12日の3日間。








