2025.10.14 Matterで家電動作、日本でデモ初公開 CSA
CSAの活動やMatterの役割について説明する新貝氏
スマートホームの共通規格「Matter」を推進するConnectivity Standards Alliance(CSA)日本支部は14日、メーカーをまたいで接続するMatterによる日本初の実演を行った。14日に開幕したデジタルイノベーションの総合展示会「CEATEC2025」で披露したもので、寝室やリビングなどのシーンで家電がマターでつながり、動作する様子をデモした。
デモには7社のIoT家電やIoT機器を利用。例えば、リビングルームのシーンでは、人感センサーで人の在室を検知するとMatter対応のサーキュレーターや空気清浄機が自動的に稼働する。赤外線センサーで動く扇風機も、Matter対応のハブから赤外線で指示が飛び同時に稼働。別メーカーのMatter対応品だけでなく、日本の家庭で一般的な赤外線センサーの家電もまとめて動作できるデモを行った。
デモに協力したのは、mui Lab(京都市中京区)やアクセルラボ(東京都新宿区)、パナソニック、スイッチボットなど。各シーンをコーディネートしたのは、スマートホームを「推し活」に掲げるライフテックコーディネーターの織田未来さん。「技術の話ではなく、メーカーをまたいでつながる世界というのを分かりやすく表現したかった」(織田さん)とし、各シーンは技術色を排除してMatterで実現する便利さや豊かさを軸に機器が相互接続する世界を表した。
Matterはスマートホームの共通規格として本命視されている。背景にあるのは、GoogleやApple、Amazonなどの後押しや、QRコードを読み込むだけの設定のしやすさなどだ。スマートホームの普及が遅れがちな日本でもMatter対応製品は広がりを見せており、CSA日本支部には70社以上の企業が参画している。
スマートホームの専門家集団X-HEMISTRY(ケミストリー、東京都豊島区)のCEO(最高経営責任者)である傍ら、CSA日本支部の代表を務める新貝文将氏は、WiFiやBluetoothのように「スマートホームの規格として、Matterはこれから認知されていく目印になる」と強調している。