2025.10.20 【半導体製造装置特集】TOWA 人財育成で開発力を強化 唯一無二の企業目指す
TOWAのコンプレッションモールド装置「CPM1180」
TOWAは、顧客ニーズの4分の1歩先を見据えた「クォーター・リード」に徹した新製品・新商品の創成に向けて、革新的なプロセスを構築している。4月に就任した三浦宗男社長は今期から開始している第二次中期経営計画で人財への投資を積極的に行う方針を掲げた。開発力の強化で他社の追随を許さない唯一無二の企業を目指す。
同社は半導体製造で半導体チップを保護するモールディング装置・金型の世界シェアトップ。半導体モールディング装置では、超大判PLP成形を実現するコンプレッションモールド装置「CPM1180」、超高帯域メモリー(HBM)で求められる高い樹脂充填(じゅうてん)技術に対応する「CPM1080」など業界に先駆けて発売。現在、クラウドサーバー向け、AI(人工知能)向けなどで広がりを見せている。
三浦社長は「企業は安く作れる設備を求めている。ここにきて10年前からの取り組みが成果を上げてきた」と話す。
社長に就いて半年、同期間は人財育成に重点を置いて活動している。テーマは「TOWAイズムで次世代をリードする人財を創出」。育成にはAIを活用し、AIに強い人財を増やす。AI人財は現在推進中の中期経営のプラス要素として取り組んでいる。
4月には同社のコア技術や経営理念、精密加工現場を学べるアカデミーを京都府宇治田原町に開設。国内だけでなく、海外のスタッフも対象にし、売上比率の高い海外でも思いを伝える。今後は新入社員や中途採用社員向けにも門戸を開き、将来的には1、2年の期間で教育を提供する機関にする。
三浦社長は「TOWAビジョン2032で、2032年3月期までに売上高1000億円、営業利益率25%の達成を目指している。そのためには利益率の高い製品を売る必要がある。人財育成、製品開発、設備投資を推進していきたい」と語る。