2025.11.28 大阪公立大、「都市戦略の共創」をテーマにアジアラウンドテーブル開催

森之宮キャンパス開設を記念して「大阪アジアラウンドテーブル」開催

3分野のセッションでプレゼンが行われた3分野のセッションでプレゼンが行われた

 大阪公立大学は26日、新たに開設した森之宮キャンパス(大阪市城東区)で都市戦略の共創を目的にした国際対話「大阪アジアラウンドテーブル2025」を開催した。日本含め9か国・1国際機関からヘルスケア、スマートシティーなどの分野の政府関係者、学術研究者や自治体関係者ら延べ360人が参加した。アジア圏を中心に都市が抱える課題に焦点を当て、ヘルスケア、デジタル化、防災という3つの分野でセッションが行われた。主催者の立場から大阪公立大では、今回の会議を「大阪の都市発展を牽引しアジアの都市シンクタンクへの成長をめざす」と位置付けている。

 第1部のヘルスケアセッションでは「アジアにおける認知症包括ケアの重要性と展望」をテーマに各国が持論を発表。厚生労働省から「医療のデジタル変革(DX)」について説明が行われた後、インドネシアのアトマ・ジャヤ・カトリック大学のユダ・ツラナ教授が「国内には認知症の危険因子が充満している。対策には地域の協力が必要」と地域連携を訴えた。

 第2部のデジタルセッションのテーマは「都市開発におけるアジア技術活用とその課題について」。大阪府・市の担当者が「大阪スーパーシティ構想」を説明した後、タイのスマートオフィス推進官庁「デジタル経済振興庁(DEPA)」のスパコーン・シディチャイ副CEOがDEPAの役割について説明し、「デジタル人材の育成も重要」と強調した。

 英国のトニー・ブレアー研究所(TBI)のカルム・ハンドフォース上級顧問やOECD開発センターの佐谷説子次長もそれぞれの立場から問題点を訴求した。 

 第3の防災セッションは「気候変動時代のアジア防災」をテーマに13人が意見を述べた。大阪公立大、内閣府の担当者が防災への取り組みについて紹介。マレーシア工科大学(UTM)のカマルル・ラザク上席リサーチフェローらが官民連携や国際協力について説明した。