リコーは8日、米グーグルのオープンモデル「Gemma 3 27B」を基盤に独自技術で性能を強化した日本語LLM（大規模言語モデル）を開発したと発表した。中堅・中小企業でも導入しやすいオンプレミス（社内運用）環境向けで、パソコンサーバーで構築できるコンパクトさと高性能を両立した点が特徴だ。

　約1万5千件のデータによる追加学習で抽出した複数のChat Vectorをモデルにマージし、米オープンAIの「gpt-oss-20b」などと同等の性能を実現したとする。初期応答性の高さと執筆能力を兼ね備え、ビジネス利用に適した日本語応答を可能にした。

　12月下旬からは、エフサステクノロジーズのオンプレミス向け生成AI基盤に量子化モデルと生成AI（人工知能）開発プラットフォーム「Dify」をプリインストールし、リコージャパンを通じ提供する。専門人材が不足する企業でも、伴走支援により生成AIの活用を始められる。

　同社は今後、推論性能や業種特化モデルの開発に加え、マルチモーダルやフィジカルAIへの対応などLLMラインアップの強化を進める方針である。し、フィジカルAI分野などLLMラインアップの拡充を図る。