2026.03.05 日立と百五銀行、AI活用で銀行業務の省力化へ 効果検証で作業時間が3分の1に
生成AIとAIエージェントを活用した取り組みの概念図(出所:日立製作所)
日立製作所と三重県に地盤を持つ百五銀行は、生成AI(人工知能)とAIエージェントを活用し、銀行業務の人手依存を減らす取り組みを2026年度から順次開始すると発表した。同行が本人確認書類の確認や非定型帳票の転記作業、整合性判断などを自動化する。
25年8月から2月にかけて実施した住宅ローン業務の効果検証では、1件あたりの作業時間が約20分から7分以下へと3分の1に短縮され、AIによるアウトプットの品質も一定していることを確かめた。
こうした結果を踏まえて百五銀行は、住宅ローンの事前審査などにAIを順次適用する。これにより、行員が最終確認や判断に専念できる体制を構築。そこで生み出された人的資源は、顧客への提案活動などの高付加価値業務に集約させ、収益力とサービス品質の向上につなげる。
AIの導入先の一つが転記業務だ。フォーマットのない非定型書類は、生成AIが必要情報を抽出してデータ化し、行内システムへの登録まで自動処理する。住宅ローンの事前審査ではこれまで、物件資料や図面を行員が目視で確認し手入力していたため、スキルの差も相まって作業時間や入力内容にばらつきが生じていた。AIの活用で行員の役割は登録結果の確認のみとなり、一連の人手依存を大幅に解消できる見通しだ。
さらに続く審査工程では、AIエージェントが登録情報と関連データの整合性や妥当性を分析し、潜在リスクを判断して担当者に提示する。これにより、行員は転記作業と同様に最終判断に集中できるようになる。
今後は、住宅ローン以外の業務にも生成AIとAIエージェントを生かし、行員とAIの最適な役割分担を促す。また日立は、これらの技術を26年度中に、モバイル端末で金融機関による非対面取引を促進するサービス「Branch in Mobile」に追加し、他の金融機関への展開も目指す。








