2026.03.06 「話す」IoT機器で津波避難訓練、茨城・神栖市で実証

実証実験のイメージ

 茨城県神栖市、防災科学技術研究所(防災科研)、電子情報技術産業協会(JEITA)、シャープ、リンナイの5者は、3月15日に神栖市が市内全域を対象に実施する津波避難訓練で、IoT・発話機能を備えた家電と住設機器を通じた避難指示伝達効果を検証する実証実験を行う。

 同実験では、災害対策本部や避難所に加え、市内在住の防災士の自宅にIoT対応と発話機能を備えたシャープ製空気清浄機(防災士宅3カ所、災害対策本部1カ所、避難所1カ所)、リンナイ製給湯リモコン(防災士宅1カ所、災害対策本部1カ所)を設置する。

 避難訓練で、これらの機器から訓練情報を発話。このほか防災行政無線や防災ラジオ、神栖市公式LINEなどで伝える。

 空気清浄機は、将来的に居住エリアに応じた災害情報を発話する仕組みの構築に向けた検証として、世帯ごとに異なる内容の発話も行う。

 避難訓練実施後、参加した市民へのヒアリングなどを通じて、災害発生時の情報伝達手段として、IoT・発話対応の家電や住設機器の有効性を確認する。

 JEITAは、マルチベンダーのIoT機器データの利活用を目的としたプラットフォーム「イエナカデータ連携基盤」の標準化を進めている。

 神栖市、防災科研、JEITA、シャープ、リンナイの5者は、実証実験から得る知見とイエナカデータ連携基盤を活用し、宅内のさまざまな家電や住設機器による防災・災害情報発話サービスの実現に向け協議していく。

 今回の実証実験は、防災科研とシャープが参画する内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマート防災ネットワークの構築」の研究の一環として実施する。

 2011年の東日本大震災で神栖市は、ライフラインの寸断や液状化のほか、鹿島港で5mを超える津波を観測するなど、甚大な被害が発生。市は有事の備えとして毎年避難訓練を実施している。

 災害発生時に市町村から避難指示が発令された場合、現在はテレビやラジオ、エリアメール、防災行政無線などで通知されるが、機器の電源を入れていない、あるいは聞き取れないといった課題もあり、より確実に伝達するために手段の多様化が重要になっている。