2026.03.07 日立、「フィジカルAI」で小売り革新へ 未来の店舗像を提示
フィジカルAIを活用した未来の店舗で、商品提案を受ける来店客=東京都江東区
人工知能(AI)が現実世界の機器を自律的に制御する「フィジカルAI」を活用し、未来の店舗像を提示――。日立製作所は、東京ビッグサイト(東京都江東区)で3~6日に開かれた国内最大級の流通業向け情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2026」に出展し、AIが小売りの現場にもたらす新たな可能性を示した。
日立グループのブースで存在感を放っていたのが、2035年の店舗を想定した架空のショールーム店舗「IKUKO Mart」だ。隣には、夜の社交場「スナック」をイメージした日立公式のポッドキャスト番組 「スナック育子のInnovation Night」の特設ステージが設けられ、未来の店舗を解説する演劇などが繰り広げられた。
来店客はまず、自分に近いユーザー層である「ペルソナ」を設定する。その上でデジタルサイネージの前に立つと、画面に現れた番組パーソナリティー「育子ママ」のアバター(分身)が、やさしく語りかけてくる。さらに商品棚に並ぶ飲み物を選ぶ場面では、客が迷うしぐさなどの動きをAIが読み取り、好みに合いそうな商品を提案した。
これは、センサーや生体認証などの技術を活用して小売業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する無人店舗ソリューション「CO-URIBA(コウリバ)」や、研究開発中の「AIペルソナ2.0」を組み合わせて実現する仕組み。日立グループでDX支援を手がける米グローバルロジックがイベント向けに開発した。
AIペルソナ2.0は、購買履歴といった過去の行動データに加えて、来店時のしぐさや迷い、選択といった「その場の文脈」を能動的に捉える技術だ。個性を抽出する従来技術を一歩進め、よりリアルな顧客像の把握を可能にする。
リテール起点の「好循環社会」実現へ
日立は、35年を見据えて「ムリ・ムダ・ムラのない、モノと人財の好循環社会」の構築を目指すリテールビジョンを掲げている。家に帰れば必要なモノが必要な分だけ届き、使い終えたモノや未使用品は再利用される――。こうした循環を小売り起点で実現したい考えだ。
会場で日立は「精緻に収集した購買データを必要な供給量につなげる取り組みにデジタルでチャレンジしていきたい」(産業・流通営業統括本部第四営業本部リテールシステム営業部)と説明し、循環社会づくりを後押しする姿勢を強調した。











