2026.03.12 大陽日酸、東邦ガスとCO₂回収システム開発で提携 低濃度領域の適用を拡大

 日本酸素ホールディングスグループの大陽日酸は11日、東邦ガスと、両社が保有する二酸化炭素(CO₂)分離回収技術を組み合わせた一体型システムの開発で提携したと発表した。従来は難しかった低濃度領域からのCO₂回収を実現し、多様な排出源に適用可能なCO₂回収ソリューションの拡充を目指す。

 今回の提携では、東邦ガスが開発中の「低濃度のCO₂を中濃度(約20~40%)まで濃縮する膜分離装置」と、大陽日酸が実用化した「中濃度のCO₂から高濃度CO₂を回収するPSA方式CO₂回収装置」を組み合わせることで、原料CO₂濃度が従来よりも低い5~20%領域でも高濃度でのCO₂回収が可能なシステムの製品化を進める。

 大陽日酸は、石灰焼成炉などのCO₂排出源(濃度20~40%)を対象に、PSA方式でCO₂を回収する装置を上市し、その後、適用可能な原料CO₂濃度範囲を20~60%に拡大するなど、産業界の脱炭素ニーズに対するソリューションを提供してきた。発表以降、CO₂濃度が20%未満の排出源を有するユーザーからも多くの引き合いがあり、より低濃度排出ガスに対応可能な新たなシステムへの期待が高まっていた。

 東邦ガスは、ボイラー排ガスなどに含まれる低濃度のCO₂を20~40%の中濃度まで脳出可能な膜分離装置(分離膜モジュールや周辺機器・前処理機器など)の開発を進めている。

 今回の提携では、東邦ガスの膜分離装置で低濃度(約5~20%)のCO₂を中濃度(約20~40%)まで効率的に濃縮し、続いて大陽日酸のPSA方式CO₂回収装置により、その中濃度CO₂から高濃度のCO₂を回収するという二段階プロセスを構築する。

 同社は今後、東邦ガスとの協働を通じ、CO₂濃度が5~60%の幅広い排出源を対象とした新たなCO₂回収システムの実現とともに、実機条件での性能検証や運転データの収集を行い、低濃度排ガス向けCO₂回収システムの早期実用化を目指す。