2026.03.23 【電子部品メーカー/商社 中国・台湾拠点特集】中国ワーカー最低賃金、上昇続く

最高は上海の月額2740元に

 中国では経済成長やインフレ、労働者不足などを背景に、各都市でワーカー賃金の上昇が続いている。

 中国各都市の法定最低賃金の引き上げは、かつては毎年1割以上の改定が実施されるケースも多かったが、近年は2~3年に一度の改定とする都市が増えている。それでも企業が実際に支払う給与は毎年増加しており、法定最低賃金に含まれない社会保障費などの付帯費用も拡大している。

 都市別では、中国本土で最も高い水準(香港を除く)の上海が25年7月1日付で従来比50元増の月額2740元に改定された。北京市は25年9月1日付で従来比120元増の月額2540元に、蘇州市は26年1月1日付で従来比170元増の月額2660元にそれぞれ引き上げられた。26年の改定が未発表の都市でも、今後多くの都市で最低賃金改定が見込まれる。フルタイム労働者の最低時給は北京市が27.7元で最も高い。

 最近の中国では、沿岸部を中心に若年労働者不足が深刻化している。このため、実際には法定最低賃金を大きく上回る水準を提示しなければワーカー採用が難しい地域もある。また、対人民元の為替レートでは円安が進み、1年前と比べて1割以上の円安となったため、円換算では人件費負担がさらに増している。

 こうした状況を受け、中国に進出する日系電子部品メーカーは生産工程の自動化や省力化を進め、効率向上に注力している。検査工程ではAI(人工知能)を活用した自動化が広がり管理業務でもAI導入が進んでいる。

 労働者賃金の上昇は消費市場の拡大にもつながるため、安定した上昇が望まれる。中国政府が掲げる「共同富裕」政策もあり、中長期的には賃金上昇が続く見込みだ。