2026.05.01 純国産ヒューマノイド開発目指す「KyoHA」、検証機を公開 災害対応など視野に前進

KyoHAが公開した検証機「SEIMEI」と早大の橋本教授

SEIMEIの開発に携わったKyoHAの関係者ら(前列左から2番目が早大の高西教授)SEIMEIの開発に携わったKyoHAの関係者ら(前列左から2番目が早大の高西教授)

 村田製作所や早稲田大学など16者が参画し、純国産のヒューマノイドロボット(人型ロボット)の開発を目指す「京都ヒューマノイドアソシエーション(KyoHA)」は、検証機を公開した。参画企業・大学の既存技術を生かして作成したもの。今後は、検証機を起点に災害現場などでの活用する「パワーモデル」と、多用途での使用を見込む「俊敏・機能モデル」の開発に取り組む。

 KyoHAは、村田製作所と早大に、ロボット開発を行うテムザックとSREホールディングスを加えた4者が、2025年6月に設立した。その後、日本航空電子工業やローム、マブチモーターなどが参画し、現在は特別協賛のアークを含む2大学14社で活動している。

 平安神宮会館(京都市左京区)で開催した報告会で公開した検証機「SEIMEI(せいめい)」は、ヒューマノイドモデルの基礎構築と技術課題の把握を目的としたもので、参画企業・団体の既存技術を活用し約4カ月で開発した。

 KyoHA理事長で早大の高西淳夫創造理工学部教授は「各社の一流のエンジニアが京都に集まり、実機を組み立て、テストをしながら開発を続けている。大学では考えられないスピード感だ」と話した。

 企画・開発から構成部品まで全てが日本製で、早大やテムザック、沖縄科学技術大学院大学が研究開発や全体構想を、ハード機体は航空電子工業やアイシンなどが担当。センシング・通信・半導体関連は、村田製作所やロームなど、アクチュエーターはマブチモーターや住友重機械工業、カヤバが担った。

 検証機は高さが140cmで、重さはバッテリー込みで49kg。試作機が動かせる関節は23軸で、今後は手の関節を除き27軸を目指す。現在、起立とモーターの制御が可能だ。

ロボットの動きは、人の動きを撮影した動画を基に人の姿勢を抽出し、ロボット用の動きに変換。AI(人工知能)が最適な動きを学習することで、自然な動作を実現する。AI関連は、SREホールディングスと沖縄科学技術大学院大学が手がけた。

KyoHA理事で早大大学院情報生産システム研究科の橋本健二教授は「各社が持っている要素技術のうち、ヒューマノイドを作る上でそのまま使える部分があることが分かった」と手応えを語った。

 今後は、検証機をベースに災害現場や建築・土木など過酷な環境での活動を想定した高出力型のパワー系モデルと、成人サイズで俊敏性や機能性を重視したモデルを作成する。26年度中に2機種の完成を目指し、パワー系の開発を優先して進める。データやAI開発も含め、全てを純国産とする計画。27年度中には実証実験などを開始し、将来的には量産に向けた取り組みを進める。