2026.07.28 NGKと邑南町らが協業 地域発の脱炭素実装を実現
邑南町、おおなんKE、NGK、JA三井リースで脱炭素を実装する
島根県邑南町が設立した新電力のおおなんきらりエネルギー(おおなんKE)とNGK、JA三井リースの3社が24日、地域発の脱炭素実装を支える契約を締結したと発表した。おおなんKEは、邑南町の矢上・中野・田所地区の事業所や住宅、町内の公共施設などに太陽光発電設備や蓄電池の導入を進める。NGKは太陽光発電と蓄電池の企画、設計、運用・保守など一体的にサポート。JA三井リースはファイナンス面で支援を行う。
邑南町は2021年に「ゼロカーボンシティ宣言」を表明。環境と経済を両立したまちづくりを掲げた。脱炭素の取り組みの一環として、エネルギーの地産地消による経済循環の確立を果たすため、26年2月には地域新電力のおおなんKEを設立した。
23年度に公共施設や事業所などに蓄電池などの設置を開始。25年度から電力源を活用する形で小売電気事業を開始し、25年度末には年間約1億円の収益を上げた。今年度からは一般住宅まで供給対象を拡大する。
今回、NGKは、再生可能エネルギーの地産地消を支援するソリューション事業「NGK eneloco(エネロコ)」を開始し、第1弾として邑南町が進める太陽光発電と蓄電池の導入計画などに関するサービスを受注した。地域の再エネ導入を検討する地方自治体や新電力などを対象に、資金調達から事業スキームの設計、運用・保守、販売まで一体的な支援を提供する。
NGKのNV推進本部エネルギーソリューション部長の岡田浩一氏は「当社がVPPシステムの実証場所探しやシステム使用の訴求を全国の自治体にしていたところ、邑南町から脱炭素に取り組んでいて困り事があると返答をもらい、今回の協業につながった」と述べた。
エネロコで課題解決に貢献
NGKが提供するエネロコは、邑南町の再エネの有効活用やリソース不足、資金計画の課題に対して、一体的にソリューションを提案する仕組みだ。
設備は邑南町の八つの公共施設に太陽光発電約400kw、蓄電池約400kwhを導入する。再生可能エネルギーを町内で最大限活用し、地域の脱炭素を推進する予定だ。蓄電池は三つのエリア・四つの施設に分散設置する。施設は全て避難所で、災害時に電力を供給できるシステムを構築することで町全体のレジリエンス向上を実現する。
資金面の課題としては、再エネ導入に伴う初期費用と長期的な投資回収がある。JA三井リースに設置した設備をNGKが販売し、JA三井リースがおおなんKEにリースとして導入する。これにより、初期費用を抑え、事業リスクを低減した。リソース不足では、地域新電力は多様で専門性の高い業務のため、NGKが企画から運用まで一体的に支援することで、新たなリソースを提供できるようにした。
再エネの有効活用では、通常であれば太陽光発電を導入する際は、需要に合わせた発電量を想定したパネルを設置する。一方で、邑南町の公共施設は、屋根面積が大きく、太陽光の発電量も多い半面、需要が少ないというミスマッチがあった。それに対して、電力の施設間融通を実現するシステムを実現することで、対象の施設を一つのまとまりと捉え、電力が足りないときは別の施設から供給できるようにした。
エネロコ導入により、再エネの利用率と二酸化炭素(CO₂)の排出量を試算したところ、8施設の使用電力量のうち、約64%を再エネ電源で賄え、CO₂排出量は8施設合計で現状から約57%削減可能という結果となった。
NGKは邑南町をきっかけに他の地域にエネロコを訴求していき、30年度に売上高100億円を目指す。








