2026.09.13 日立とNTTドコモビジネス、600km超離れたデータセンター間で災害時に自動復旧 共同実証で確認

長距離でデータ連携するソリューションは、日立グループ最大規模のイベント「Hitachi Social Innovation Forum 2026 JAPAN」の内覧会で紹介された=東京都千代田区 

災害時にシステムを自動復旧する実証の構成イメージ(提供:日立製作所)災害時にシステムを自動復旧する実証の構成イメージ(提供:日立製作所)

 日立製作所と日立ヴァンタラ、NTTドコモビジネスは、NTTの次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を活用し、600km超離れたデータセンター間で災害発生時にシステムを自動復旧できることを実証した。データの保全性を維持し、業務を継続できることを世界で初めて確認した。

 今回の実証は、日立のストレージ仮想化技術に、高速・大容量で低遅延な通信を実現するネットワーク「IOWN APN」を組み合わせたソリューション「Borderless Data Share (BDS)」を用いて実施した。BDSは長距離でリアルタイムなデータ同期を実現するもので、これにレッドハットの仮想化基盤を適用し、アプリケーションまでを含む実機環境を構築した。日本オラクルもデータベースの提供で協力した。

 具体的には、東京・大阪間に相当する600km超離れた通信環境を構築。システムが稼働する主サイトが停止した場合を想定し、災害時に業務を確実に継続できるかを確かめた。起動やリカバリー処理をデータの一貫性を維持したまま素早く完了させるなど、各プロセスを効率化した結果、システム全体として約10分で業務を再開できることを実証したという。

 さらに、システムを切り替えた後もデータの一貫性を保ちながら、副サイトでデータベースの稼働を再開できることも確認。ストレージをはじめとするシステム全体で、データの保全性を維持できることも確かめた。

 3社は今回の実証で得たノウハウを生かし、業務継続に不可欠なシステムの導入時に課題となる設計や事前検証の負担を軽減することで、災害対策システムの円滑で迅速な構築を支援していく。

 実証の背景には、激甚災害の増加やサイバー攻撃の高度化・巧妙化がある。重要な社会インフラを担う企業では、災害やサイバー攻撃が発生した際にも業務を継続できるシステムの重要性が高まっている。中でも、遠隔地間でデータをリアルタイムに同期し、災害時でもデータ消失を防ぎながら早期に業務を再開する事業継続の確保が課題となっている。