2026.08.06 真空断熱パネルで建設分野参入 タイガー魔法瓶
モジュール型データセンター内の温度安定性や冷却効率を確認し、都市型データセンターにおける断熱建材としてのTIVIPの実用性を検証する
タイガー魔法瓶は、まほうびんやステンレスボトルで培ってきた真空断熱技術を応用したステンレス密封真空断熱パネル「TIVIP(ティビップ)」を、建設分野にも広めていく。
同社が開発しているステンレス密封真空断熱パネル「TIVIP」は、従来の断熱材の約10~25倍の高断熱(0.0025W/m・K以下)と、不燃性のステンレスのため高い安全性が特長だ。
厚さは約10mmと薄く、同じ断熱性能を持たせた場合、グラスウールなら厚さ200mmが必要となる。真空度を30年以上持続する長寿命でもある。
同社は、東急、東急電鉄、イッツ・コミュニケーションズ、東急建設が今年6月から開始している「都市型データセンターの導入検討に関する実証実験」でTIVIPを断熱建材として供給、技術サポートを行っている。
TIVIPはステンレス箔を使用し、パネル内部を真空状態にすることで熱伝導を非常に低く抑えた高性能な断熱材で、限られた空間での温度管理に適している。
今回、実証実験の主体的な実施者である東急建設より依頼を受け、TIVIPを供給した。
東急建設では、今後モジュール型データセンター内の温度安定性や冷却効率を確認し、都市型データセンターにおける断熱建材としての実用性を検証する。
タイガー魔法瓶R&Dマーケティンググループの南村紀史統括マネージャーは、「100年以上にわたり『温度を保つ』技術と真摯に向き合ってきた。TIVIPを建設分野へと展開し、新たな社会インフラである都市型データセンターの断熱課題に挑戦できることを大変意義深く感じている」とコメント。
限られた都市空間に設置されるデータセンターでは、高度な温度安定性と冷却効率の向上が不可欠だ。サーバーから出る熱を効率よく排出し、冷たい空気を必要なエリアへ届け続けることが重要となる。
モジュール型データセンターにTIVIPを活用して、冷却エリアを「魔法瓶のように」断熱し、冷却した空気を逃がしにくくすることで、温度管理の安定化をサポートする。
「実証実験を通じて、当社の真空断熱技術が省エネルギーで安定的なデータセンター運用にどう貢献できるかを実証し、今後も産業・建設領域が抱える熱課題の解決にまい進したい」(南村統括マネージャー)考えだ。
東急建設では、東急グループ各社と連携して、鉄道高架下など都市の未利用空間を生かし、まちづくりと一体となった次世代デジタルインフラの展開を目指している。
同社建築事業本部データセンタープロジェクトの髙橋宏治プロジェクトリーダーは「モジュール型小規模データセンターでは、限られた空間の中で、サーバー筐体(きょうたい)の遮音・断熱・免振・冷却性能を確認することが重要な検証テーマとなる」とする。
「今回の実証では、タイガー魔法瓶のTIVIPについて、断熱建材としての有効性や、温度管理・冷却効率への寄与を確認していく。また実証を通じて、鉄道高架下という限られた都市空間におけるデータセンター設置の実現可能性を検証し、省スペースで省エネルギーなデジタル都市基盤の構築に貢献したい」とコメントした。実証実験は、東急電鉄の大井町高架下で実施している。
TIVIPについては、昨年の大阪・関西万博で、タイガー魔法瓶は日本通運と共同で、冷蔵コンテナの実証実験も行った。日通ではTIVIPなどを使った保冷ボックス「プロテクトBOXサーマル」のテスト販売も6月から始めている。
同社は、今後高い断熱性能を持つTIVIPの幅広い用途を模索していく考えだ。









