2026.09.04 近大、マダイ稚魚自動選別装置を改良 パナソニックの協働ロボ制御サービス試験導入
近畿大学が開発中の養殖用稚魚の自動選別装置の実用化に向け、パナソニック コネクトグループと共同で改良に着手
近畿大学水産研究所、近畿大学水産養殖種苗センター、近畿大学発ベンチャーのアーマリン近大(いずれも和歌山県白浜町)とパナソニック コネクトグループは、養殖現場でのマダイ稚魚の選別作業で、開発中の自動選別装置の実用化に向けた改良に共同で取り組む。
自動選別装置に、パナソニック コネクトグループが提供する協働ロボット制御サービス「Robo Sync for Cobot(ロボシンク フォー コボット)」を試験導入し、実用化に向けて実証する。
近畿大学水産研究所では、10年以上前から養殖現場でのマダイ稚魚の選別作業に使う自動選別装置の開発を進めている。
2023年には、近畿大学水産研究所と水産養殖種苗センター、生物理工学部(和歌山県紀の川市)、先端技術総合研究所(和歌山県海南市)によるプロジェクトチームが、ロボットアームで選別基準外の個体を除去する自動選別装置を開発し、実用化に向けた実証実験を開始した。
開発した装置は、ポンプによってくみ上げられたマダイの稚魚がベルトコンベヤーで通過する際に撮影した画像を解析し、設定した選別基準の許容範囲から外れた場合に、形態異常個体と判別し除去する。
今回、この自動選別装置の精度向上と継続的な運用を図るため、パナソニック コネクトグループが提供する、複数メーカーの協働ロボットや周辺機器をノーコードで制御できるサービス「Robo Sync for Cobot」を試験導入。
選別作業は技術習得に多くの経験を要し、高い集中力が求められるため、実用化できれば作業負担の軽減や、技術継承に要する期間の短縮も期待できる。
養殖現場で運用しながら精度を高め、近い将来の実用化を目指す。
近畿大学水産研究所では、これまで近大マグロをはじめ多くの魚種の養殖研究を行い、完全養殖技術により生産した人工種苗(養殖用稚魚)を養殖業界に供給してきた。
特にマダイの養殖研究は歴史が古く、1960年代から優良品種の開発に取り組み、稚魚の供給を通じて国内のマダイ養殖普及に貢献している。
現在も、近畿大学水産養殖種苗センターで生産したマダイの稚魚を、アーマリン近大を通じて全国の養殖業者に年間約1500万尾出荷している。
出荷の際は、専門作業員による選別作業を行い、形態異常や成育不良個体を取り除くなど、基準を満たす魚だけをより分ける。
この作業は検査項目が多岐にわたるため、目視と手作業で行われており、高度な経験と集中力が求められる。
そのため、技術継承も含めた作業の平準化や自動化が長年の課題となっていた。








