2026.10.14 シチズンマシナリー、工作機械のハイスペック仕様と工具監視ソフトを相次ぎ発表
主軸台移動形CNC自動旋盤「Cincom L32 ハイスペックモデル」
工作機械メーカーのシチズンマシナリー(長野県御代田町)は、複雑形状の加工に対応するハイスペックモデルのCNC(コンピューター数値制御)自動旋盤2機種と、工具状態を監視するソフトウエアを発表した。人手不足を背景に生産性向上へのニーズが高まる中、複雑な加工を自動旋盤で実現するとともに監視機能も強化し、省人化を後押しする。旋盤2機種の受注は、2027年2月に始める予定。
一つが主軸台移動形CNC自動旋盤「Cincom L32 ハイスペックモデル」だ。小径の精密部品や複雑形状部品の加工に特化したモデルで、同時5軸に対応するB軸(工具主軸)旋回式のATC(自動工具交換装置)付き工具主軸を搭載し、最高回転数が従来の毎分1万2000回転から2.5倍の毎分3万回転に高まった。工具を高速で回転させることで、加工領域を広げる。
毎分3万回転の高速回転と、自動旋盤ならではのコンパクトなサイズを両立するため、「歯車増速機構」を開発した。高出力モーターと組み合わせることで、工具主軸サイズを小型化しながら高速回転と高トルクを実現している。ATC工具主軸には、最大10MPaの高圧クーラントに対応したノズルを設けており、複雑な加工を支援する。価格は税込み2728万円。
さらに、主軸台固定形CNC自動旋盤「Miyano BNE-65ATC ハイスペックモデル」も用意する。最大加工径直径65mmの中径部品の加工に対応し、コンパクトな機械サイズを維持しながら、複雑形状部品の工程集約と長時間の連続加工を可能にしたモデルだ。
歯車増速機構により、工具や加工条件に応じて、回転速度を毎分6000回転と、1万2000回転に切り替えられるようになった。小径工具に必要な周速を確保する高速回転と、高負荷加工に適したトルクを使いわけることで、穴あけやフライス加工の対応範囲を広げる。クーラントスルー使用に対応し、工具先端から切削点へクーラントを供給することで、深穴加工時の切りくず排出を支援する。
B軸による斜め穴あけにも、低周波の振動によって切りくずを細かく分断する「LFV」技術を搭載できる。独自の「同時2軸制御」によるLFV技術を駆使することで、刃具の破損を抑えながら加工工程を効率化する。24本のツールが格納できるATC装置により、複数プログラムを一つの段取りで連続運転できる。
工具状態の変化を自動検知
26日には、CNC自動旋盤の加工中に得られるモーター電流値を分析し、工具の破損や摩耗などの状態を監視する「ルーツモニタープラス」を発売する。加工中の各モーター軸の電流値から複数の特徴量を算出し、運用時に設定した基準値を外れた場合にアラームを発して工具状態の変化を知らせる仕組み。本体標準価格は税込み55万円。
工具状態を数値として把握することで、これまで熟練者の経験やノウハウに頼ることが多かった工具交換時期の判断を支援する。工具状態を継続的に監視することで、安定生産にも寄与する。追加のセンサーや専用計測装置などの外部機器を必要とせず、対応する既存機にソフトをインストールするだけで導入できる。










