2020.07.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】伯東電子・電気機器や工業薬品強化

阿部 社長

 伯東は4月1日付で社長交代を行い、杉本龍三郎社長は取締役相談役(現相談役)に、新社長には阿部良二取締役常務執行役員が昇格、就任した。

 同社は20年3月期連結決算において通信関連部品の好調に加え車載向け半導体ビジネスの商権移管により、全体では2桁近い増収となり、売上高は過去最高を更新した。

 阿部社長は「当社の収益構造は売上高では半導体・電子部品が80%、電子・電気機器(システム)が12%、工業薬品7%、その他1%だが、利益では半導体、電子部品、電子・電気機器、工業薬品で均等に4分している。売上げの基礎は最先端の半導体や電子部品によるソリューションだが、さらに利益を伸ばすには電子・電気機器や工業薬品の事業強化、拡大が鍵になる。20年度(21年3月期)の業績予想は、今後の新型コロナの影響が見えないことから発表が遅れているが、できる限り早期に開示したい」と述べる。

 半導体事業では車載カメラ、監視カメラなど幅広い用途に高度なCMOSセンサーを供給するオムニビジョン(米)やメモリー系ではISSI(米)など特徴のあるデバイスを拡充している。

 パワー系では京都大学発のベンチャー企業・FLOSFIA(京都市西京区)と国内販売代理店契約を結び、コランダム型酸化ガリウム製パワーデバイス製品の取り扱いを開始する。酸化ガリウムは、最先端の半導体材料として注目され、コランダム構造の酸化ガリウムは、シリコンに対して約7000倍、シリコンカーバイドの約20倍の物性値を示し、電力変換損失を劇的に低減する効果が期待できる。

 電子・電気機器では、PCB製造向け露光装置、真空装置などの拡販に引き続き取り組むほか、フィンレイズ社製(フィンランド)ファイバレーザーにガルバノを組み合わせたオリジナルシステムの販売を始めた。また、画像診断装置の製造事業に関わることで、医療機器ビジネスを立ち上げたいとする。

 工業薬品事業では除菌・消臭機能を持つオゾン水生成スプレーをを5月から発売した。