2020.07.20 3Dビジョンにさらなる付加価値を新ビジネスモデルで成長軌道を目指すソロモンテクノロジー

ソロモンのAI 3Dビジョンソリューションでロボットはますますインテリジェントかつ便利に!

 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が世界的に広がり、製造会社は生産活動の停止やマシンビジョン機器の導入など、新規プロジェクトの先送りを余儀なくされている。台湾の3Dビジョンおよびディープラーニングソリューションの大手プロバイダーであるソロモンテクノロジーは、この危機的状況を脱し“革新の拡散”理論を基にしたビジネスモデルで持続可能な成長軌道の構築を目指す。 

不確実性を排除、拡散を促進

 「この危機的状況下で持続可能な成長軌道へと歩を進めるため、必要な対策を講じた」と語る陳政隆董事長。同社が講じた対策は、物体検知および物体認識の速度と精度を上げるための高度なAIアルゴリズムの採用、ソフトウェアとハードウェアの統合力によるユーザーインターフェイスの使い勝手の良さの優先、また特に自動化やマシンビジョンへの投資を検討している顧客への1~2ヶ月間のトライアルの提供などだ。

 陳董事長は「これらの対策は、マシンビジョンへ投資してもらうための最も速くて、費用対効果の高い道だ」と話す。

製造、物流に注目

 製造業では、顧客の中に日本の自動車メーカーも含まれる。台湾にあるトヨタ傘下の国瑞汽車は今年の2月、カルフォルニア州アナハイムで開催されたATX West 2020で、ソロモンのAccupickソリューションを使ったDENSO Cobottaを紹介した。他の分野では、日本の大手ジッパーメーカーなどがある。

 e-コマースの普及により、物流会社のビジネスが成長しており、配送工程の自動化が進んでいる。

 「シンガポールの大手物流会社と中国の大手家電メーカーから倉庫保管の物流を受注した。中国の場合は、2.5mの高さに設置された3Dカメラを使って異なる形状、大きさ、およびコンパクト性をもつ数個の製品を1.5cm以下の公差で操作することができるデパレタイズシステムを、要求された精度で組立てることだった」と陳董事長。

 この他、流通関連では、透明な物質と混ざった異質で未知の物体を認識し、混ざった物質のサイズと形状をひとつひとつ見極め、決められたサイズのスペースへ高速で積み卸しする作業の最適化がある。

3Dビンピッキングへの新しいアプローチ

 通常、ビンピッキングは6軸ロボットを使って行う。しかし、ソロモンの技術は、デルタ電子の5軸SCARAロボットによるビンピッキングを可能とする。このことによって、視覚誘導封止などのアプリケーションにより手頃なソリューションを使うことができるようになる。

 ソロモンは、物流ピッキングシステムにさらなる剛性と吊り上げ力を持たせるよう取り組んでいる。アパレル分野で高まっている要求として、最適な組合せの吸着カップを使って自動的に衣服をつかむ能力をもつピッキングシステムがある。これによって、事前学習することなく、様々なサイズや色のポリ袋に入った衣類を取り出すシステムができるようになる。

 ソロモンの物流アプリケーションは、システムインテグレーターのために、より速く新しい運搬、選別技術を開発しコストの削減を提供する。

 コロナ後のシナリオとして、製造業者はこれまで以上に製造の自動化の重要性を実感し始めている。ソロモンは、現在、技術の急速な進化と実際のアプリケーションのギャップを埋めるための取組みを行っている。同社は新ビジネスモデルの展開で今年40~50パーセントの成長、さらに来年度には3倍の成長を見込んでいる。