2020.07.21 【家電総合特集】マクセル乘松幸示ライフソリューション事業本部長

今年〝オゾン元年〟に位置づけ

 マクセルホールディングスが掲げる経営ビジョン「スマートライフをサポート 人のまわりにやすらぎと潤い」にのっとり、ライフソリューション事業本部はブルートゥースヘッドホンなどのAV機器に加え、長年培ってきた技術を生かし理美容や健康を意識した製品開発を進めている。

 昨年4月には中国・深圳や長野・松本に工場を持ち、製造力があるイズミ(現マクセルイズミ)を子会社化。マクセルの企画力と、イズミの製造力をかけ合わせた特徴ある製品の開発に取り組んだ。4月からはマクセルイズミの社長も兼務し、より両社のシナジーを出せる体制を整えた。

 健康関連ではいち早く除菌消臭効果があるオゾンに着目した製品開発にも取り組み、他社に先駆けオゾン除菌消臭器「オゾネオ」を展開してきた。このオゾネオは新型コロナウイルスの感染拡大により注目され、「オゾネオ」シリーズの3-5月の売上げは前年同期比4.5倍、上期では同10倍に達した。

 2月発売の業務用オゾン除菌消臭器MXAP-AE400も好調で、4月からは増産体制を取った。医療現場でも活躍し、中国・武漢市の病院11カ所に同製品60台を寄付した。

さらにオゾネオの新製品「オゾネオ エアロ」も6月25日に発売。新製品はファンを内蔵することで素早く除菌、消臭、ウイルス除去ができるようになった。今後「オゾネオ」は業務用、家庭用を問わず展開し、インバウンド需要にも対応していく。

 「オゾネオ」シリーズは5年前から発売してきた。目に見えない除菌消臭だからこそ、人に優しく、効果があるものでなければならないと考えている。

 そうした中、奈良県立医科大学と医学を基礎とするまちづくりを目指すMBT(メディシンベースド・タウン)コンソーシアムが「オゾンによる新型コロナの不活化」を証明する実験を世界で初めて行い、オゾンの効果で最大1万分の1まで新型コロナを不活化できることを証明。これを受けて当社は奈良県立医大と連携し、世界で初めてオゾネオを使い新型コロナへの有効性を確認する実証実験も開始。数カ月で結果を出せるようにしオゾネオの拡販にもつなげる。

 今年は「オゾン元年」と位置付けて取り組みたいと考えている。オゾネオを安定して供給できるよう供給体制の確立を目指す。今後は、現在の中国生産ではなく、マクセルイズミの生産拠点などを生かし日本国内で生産した「メード・イン・ジャパン」の新製品の開発にも取りかかる。

 美容家電ブランド「llexam(レクサム)」もてこ入れする。サロンルートを中心に光ドライヤや水素シャワー、肌カメラなどを発売してきたが、7月下旬には冷却機能付き「光美容器」MXIP-100を発売する。業務用だけでなく家庭用の展開もしていく。

 昨年12月にはECサイト「マクセルオンライン」をリニューアルし、新たに法人向けサイトも立ち上げた。「オンリーワン」を大切にした製品開発を今後も行っていく。