2020.08.31 【ソリューションプロバイダ特集】日本システムウエア 多田尚二社長

「守りと攻め」の両面で取り組む

 21年度を最終とする中期経営計画初年度の19年度は売上げ、利益共に計画を達成し8期連続で増収増益となったが、新型コロナウイルスの影響が一部で出ていることもあり20年度は「守るべきところは守り、攻めるべきところは攻める」の〝守りながら攻める〟戦略でいく。

 「DX(デジタルトランスフォーメーション)ファースト」を掲げた今中計は、IoTやAI(人工知能)などのノウハウと技術力を生かし顧客のDX実現を先導しようとソリューションやサービスを拡充。軸となるSI中心のITソリューション、組込みなどのプロダクトソリューション、サービスソリューションの3事業領域でDXに関連した支援に注力している。

 コロナ禍でSIプロジェクトの見直しや延伸などが見られる半面、DX関連は投資を止めない傾向が強い。他社に先駆けて取り組んできた独自IoTサービス「Toami(トアミ)」をはじめ、AIを組み合わせたソリューション、働き方改革やテレワーク関連のソリューションも堅調だ。

 特にニューノーマル(新しい日常)を見据えた案件は動きが活発。昨年契約した米リアルウェア社の産業用スマートグラスを活用した遠隔支援サービスは今年4月以降50社に導入した。テレワークが難しい現場作業の遠隔支援の要望は多く、こうした案件からDXにつなげたい。

 AIでは、AIソリューション「トアミ・ビジョン」シリーズの第5弾となる、正しい手洗いを判定・記録する「手洗いビジョン」やAIを活用し動画判定で新型コロナ感染拡大を防ぐソリューションなど、ニューノーマル対応サービスも順次投入している。

 後半戦は守りと攻めの両面で取り組む。既存顧客のシステム支援を確実に行うとともに、コストの見直しなど無駄の排除を進める。攻めでは3ソリューション本部が横断的に連携しDXを実現するソリューション開発を進めたい。併せてデジタル人財の育成に取り組む。市場環境は厳しさもあるがDXの需要を確実に取り込み中計達成に向け弾みをつけたい。