2020.08.31 【ソリューションプロバイダ特集】富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ 土肥啓介社長

DX支援加速、データ利活用強化

 20年度は、19年に仕立て直した独自ソリューション「パワード・ソリューション」を軸にデジタルトランスフォーメーション(DX)の支援を加速させるとともに自社のDX化をさらに進めていく。特にデータを利活用して価値を見いだす領域に注力したい。

 新パワード・ソリューションは顧客のやりたいことを導き出しDX技術で支援する「DXコ・クリエーション」、データから価値を見いだす「データマネジメント」、顧客との接点を強化する「カスタマ・エクスペリエンス」、DX実現のための基盤「DXプラットフォーム」、全ての領域に関わる「セキュリティ」の五つで顧客の課題解決に取り組んでいる。

 そうした中、新型コロナウイルスの拡大で富士通グループと連携するSIは不透明感が増すが、5領域の投資は止まっておらず、ここのスキルを鍛えていきたいと考えている。SIが厳しくなる中でソリューションを作り出すことは重要だ。当社の強みは〝目利き〟になる。この目利きでソリューションを作りシステムエンジニアの武器を作ることを目的に今年4月に「ソリューションインキュベーションセンター(SIC)」を新設した。

 SICは各事業部門から目利きができる人財を集め、5人体制でスタートした。既に15件の新規案件に取り組みセキュリティで4件、システム基盤で1件の計5件をリリースしようとしている。海外ベンダーの製品などを発掘し、自社ソリューションと組み合わせて展開するものなど、様々な角度でサービス化を進めている。下期以降、さらに動きを加速させたい。

 後半戦は、DX支援に重きを置きながらデータ利活用に向けた取り組みを強化する。データの活用し価値を見いだす領域に注力するとともに、セキュリティ、DX基盤となるクラウドやコンテナに力を入れたい。同時に社内のDX化も進める。19年に「断捨離ワーキンググループ」を設置し、無駄の排除に取り組み始めた。社内の無駄の排除に加え、DXにも取り組む。データの利活用も社内実践を進め、ノウハウを横展開していく計画だ。