2020.09.09 小型、高機能センサー北陸電工がラインアップ拡充

北陸電気工業の容量式湿度センサー

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 北陸電気工業は、MEMS技術を使った小型、高機能センサーのラインアップを拡充している。第5世代高速通信規格5G対応をはじめIoT関連から自動車、医療/ヘルスケア、家電、産業機器まで、重点市場に向けてセンシングソリューションの提案活動を展開している。

 同社におけるセンサーの製品戦略は、同社主力の高密度実装技術によるモジュール事業との連携強化、産学との共同開発への取り組みを強化するなど、センサー素子としての供給にとどまらず、ソフトウエアを組み込んだモジュール化、複数の素子を組み込んだ複合センサーへとソリューションの提案活動を強化している。

 これまで同社はMEMSセンサーとして、圧力センサーで豊富な実績を有しているが、三軸加速度センサーをはじめ容量式湿度センサー、フォースセンサー、非接触温度センサー、さらには気圧センサーなど、相次いで開発した。

 気圧センサーは、2.5ミリ角×0.7ミリメートルサイズまで小型低背化した。定格圧力は50-110kPa。気圧計をはじめ気象モニター、カーナビ、HDD、活動量計などに適する。

 フォースセンサーでは、2.2ミリ角×1.8ミリメートルサイズの超小型タイプを商品化。耐久性に優れ、微小荷重を高感度、高精度で検知することが可能なため、スタイラスペンなどの入力デバイス用として利用されており、さらなる用途拡大を目指している。

分解能プラスマイナス0.3度

 非接触温度センサーは、パッケージをシリコン接合による封止で、真空パッケージ化したことで、測定分解能プラスマイナス0・3度という高精度化を実現した。サイズは2.2ミリ角×0.9ミリメートル。出力電圧は1mV。B定数は3370K。消費電流は2μA。

 19年には異方性磁気抵抗効果を利用した電流センサーを開発、販売を開始した。直流・交流検出が可能。独自の磁気薄膜技術搭載の磁気センサーと専用ICを組み合わせ、低ノイズでリニアな特性が得られ、低消費電力(3mA Max.)という特徴がある。

 小型・低背・軽量で、取り付けやすいクランプ構造により、既存設備への後付けも可能。IoT関連機器をはじめ太陽光発電のストリング監視システムやインフラ設備などの電力見える化や故障予知利用に適している。

 容量式湿度センサーは、新開発の感湿膜を使用したセンサー素子に専用ICを組み合わせ、高精度、高信頼性を実現している。2ミリ角×0.75ミリメートルの小型薄型パッケージタイプ。1.71-5.5Vの低電圧駆動。

 20年に入って新たに大幅に応答性を改善させた世界最速の超高速応答タイプをラインアップに加えた。応答時間は既存品の10秒程度から1秒以内にまで短縮させており、さらに水分の透水性の向上により、信頼性の改善も実現している。

 湿度を正確に測定する必要のあったエアコンや冷蔵庫だけでなく、高速応答が必要とされる車載や医療機器分野への用途を提案している。