2020.10.22 CEATEC2020 まちづくりの近未来映す要素技術・デバイスも競演
コーンズテクノロジーが出品した空中ハプティクス技術
新型コロナウイルスの感染拡大を機に訪れた「ニューノーマル(新しい日常)」時代。2日目を迎えた国内最大級のIT・エレクトロニクス総合展「CEATEC 2020 ONLINE」は、新時代に広がる次世代市場を占う舞台としても注目される。
デジタル技術を駆使したスマート社会「Society5・0」におけるまちづくりの近未来を映し出すほか、スマート社会を支える要素技術・デバイスやソリューションの熱い競演も繰り広げられている。
デジタルまちづくり
「SDGs(持続可能な開発目標)達成を視野に入れたニューノーマル時代のデジタルまちづくり」には13社・団体が出展するとともに奈良県、山梨県、神戸市、石川県加賀市、浜松市の五つの自治体が協力。自治体課題解決型のソリューションを紹介している。
自治体が抱える課題を共有し、国内外の課題解決に求められるソリューションについて議論する「ニューノーマルプロジェクトセッション」を、動画投稿サイトYouTubeで配信。
さらに、三つのテーマで各企業や自治体が取り組むソリューションを動画などで説明している。
「地域における New Normal」では、コアとレゾナが薬剤チェック機能を搭載した高齢者向けクラウドサービス「楽くすり」を紹介。また、北海道石狩市、静岡市がポストコロナ、ニューノーマルに関連するソリューションも披露している。
「自然との共生 安心・安全・防災」では、アルプスアルパインが災害対応のドローンによる道路追従点検システムを、LIXILが自社で考えるスマートホームを紹介。
フォーラムエイトはデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)時代におけるデジタルシティー構想を実現する「3D(3次元)VR(仮想現実)プラットフォーム」を提案している。
「自治体×企業コラボレーション事例」では、神戸市、広島県、埼玉県のほか、竹中工務店や清水建設が推進する最新事例を取り上げている。
要素技術・デバイス
ニューノーマル社会を支える要素技術・デバイスも集結。「非接触遠隔コミュニケーション」「ビッグデータ」「デジタルツイン」「デバイス&テクノロジー」の4カテゴリーで、注目技術を紹介している。
非接触関連では、アルプスアルパインが開発中の「タッチレス操作パネル」を出品。独自の高感度静電検出技術により、10センチメートル離れた手の接近を検知し、ジェスチャ操作も可能。
エレベータのボタンや公共交通機関などでのタッチレス操作ニーズに対応する。技術専門商社のコーンズテクノロジーは英ウルトラリープ社の空中ハプティクス技術を紹介。超音波の位相をコントロールして空中に触感を創ることができる。
デバイス&テクノロジーでは、日本ガイシがニューノーマル社会のIoTデバイスとして超小型・薄型リチウムイオン二次電池「EnerCera(エナセラ)」を出品。
エナジーハーベスティング技術などと組み合わせ、長期間のメンテナンスフリーIoTデバイスを実現する。サイバーリンクは、非積極認証(カメラを直視しないウオークスルー認証)のための顔認証「SDK FaceMe」を提案している。
ソリューション
ニューノーマル時代の働き方を後押しする取り組みでは、ITサービス企業も存在感を発揮している。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、現場で最前線に立つ作業員をデジタル技術で支援する「Atheer(アシアー)」を訴求。
現実の光景にデジタル情報を重ねて示す豊富なAR(拡張現実)機能によって現場作業を遠隔支援できるサービスで、現場作業員をテレワーク中の自宅からサポートできるようにする。
東芝情報システムが紹介した一つが、コロナをきっかけに急速に普及するテレワークのリスクを可視化できる「TeleCureEye(テレキュアアイ)」。社員の勤怠と作業をひと目で確認できるようにするものだ。
セキュリティとコロナ対策を両立できる「訪問者受付管理システム」も訴求しており、次世代市場を先取りする各社の挑戦から目が離せない。