2020.11.02 【NHK技研90周年特集】開発と放送現場を支える有力企業・団体 電波技術協会  松本正夫理事長

松本 理事長

 電波技術協会は、電波法・放送法が施行されてから間もない1952年(昭和27年)の創立以来、放送・通信の普及・発展を支援する様々な事業を推進している。

 わが国では来年、大規模な国際スポーツ大会の開催が予定されている。大会においては大会運営、放送番組制作、競技計測など、多彩な用途の膨大な無線システムの利用が予想され、これらが混信なく円滑に運用されることが期待されている。

 当協会では、各大会運営団体が無線システムの円滑な運用を確保するために推進する事業を支援し、大会の成功に貢献していく。

 また、総務省のデジタル混信対策事業の実施団体として、令和2年度も引き続き「総務省テレビ混信対策センター」を設置した。

 異常伝搬に起因した日本国内外からの電波による混信などで、地上デジタルテレビ放送を良好に視聴できない地域における障害の解消に必要な対策について支援を実施している。

 さらに当協会は、「TVホワイトスペース等利用システム運用調整協議会」の事務局として、UHFテレビ放送帯(470メガ-710メガヘルツ)などを利用するエリア放送、特定ラジオマイクおよびFPUの運用を管理する統合データベースを作成し、会員各者に対し、これらシステムを利用する際の相互間の運用調整業務を実施している。

 今後、地上4K放送をはじめ、第5世代携帯電話サービス、次世代ITS、IoTなど多様な電波利用システムの導入が期待されている。

 当協会はこのような電波利用の一層の拡大・発展に貢献することを目標に、これまで培った電波測定技術を駆使して、不要電波の調査および混信除去や、新たな電波利用システムの導入に必要な技術基準の調査検討など、電波に関する調査や試験研究、普及啓発といった様々な事業を展開していく。